「なかなかいいね。何年生？」。呉昇桓（オ・スンファン、３１、阪神）が野球少年に尋ねた。

「小学６年」。力強いボールを投げていた子どもが答えた。

呉昇桓は１６日、ソウル京畿高で開かれた才能寄付キャンペーン「ドリームキャンプ」でスポーツメンター役をした。氷点下１－２度の寒い天気だったが、呉昇桓は２時間ほど京畿高の運動場で少年たちにアドバイスをした。母校のドシン小・京畿高の野球部員は韓国最高の抑え投手・呉昇桓の言動を一つも逃すまいと目を輝せていた。


呉昇桓はサムスンスポーツ団キャンペーンの１号メンターだった。今年３月にサムスン野球団の慶山ボールパークで始まった最初の行事から、柳仲逸（リュ・ジュンイル）サムスン監督（５０）と一緒に子どもたちを教えた。

現在、呉昇桓はサムスンではなく日本プロ野球の阪神所属だ。先月、阪神と２年・総額９億円で契約した呉昇桓は、韓国と日本を行き来しながら忙しい日程を送った。特に阪神は２回も呉昇桓の入団式を開くなど手厚く待遇している。

呉昇桓は２０１４シーズンのため、他のスケジュールを取り消し、自主トレのため１８日にグアムに向けて出国する予定だ。呉昇桓の国内最後の日程が「ドリームキャンプ」参加だった。幼い選手が夢を育むのを支援するため、また、阪神移籍を積極的に後押ししたサムスンとの義理を守るためだった。

呉昇桓は「後輩たちといろいろ話をしたが、時間が短くて残念だった。京畿高の後輩も上手いが、小学生もとてもいいボールを投げていた。良い環境で正しい指導を受ければ立派な選手になりそうな逸材が多い」と話した。

サムスンスポーツ団のチョン・ジギュ課長は「呉昇桓が阪神のユニフォームを着たが、“ドリームキャンプ”のメンター役は選手生活を終えるまですると約束した」と伝えた。行事後に後輩に夕食をご馳走した呉昇桓は運動靴とサインボールをプレゼントした。

サムスンスポーツ団の「ドリームキャンプ」はこの日まで１２回開かれた。男子バレーボール（サムスン火災）、男子バスケット（サムスンサンダース）、女子バスケット（サムスン生命）の監督と選手団、バドミントン三星電機のイ・ヨンデ、チョン・ジェソンらがメンターとして参加した。各種目の最高指導者と選手が“才能寄付”を通じて１０年後のスターを育てようというのがこの行事の趣旨だ。今年最初のメンターだった呉昇桓が今年最後の行事を締めくくったのだ。寒さのため呉昇桓は“石直球”を披露することはできなかった。

呉昇桓は「今日は短い時間だったので柔らかく話した。後に長く教える機会があれば、いくら優秀な生徒でも厳しく教えたい」と語った。