北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が人民軍設計研究所を訪問し、現地指導をしたと、労働新聞が14日報じた。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)を処刑した後、初めて公開した活動だ。金正恩の後ろには崔竜海(チェ・ヨンヘ)軍総政治局長(63)、張正男(チャン・ジョンナム)人民武力部長(50代と推定)、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)労働党組織指導部副部長(64)らがメモをしながら随行した。金正恩は「先軍朝鮮の新たな建設の歴史を創造しようというのが党の確固たる決心」と述べた。
張成沢処刑後の初日、北朝鮮は金正恩賛歌で埋まった。労働新聞は14日付3面に「我々は金正恩同志しか知らない」と題した「政論」とともに、「党と首領の信任を破った者、この地に生きて呼吸するところはない」という内容を載せた。
朝鮮中央テレビは14日、「私たちはあなたしか知らない」という賛歌を続けて放送した。「我々が望む夢と理想をすべて花咲かせてくださる方、偉大な金正恩同志(中略)その方が指し示す一つの道へ、千万が暴風を打ち砕いて進む」という歌詞が字幕で出てきた。
中央SUNDAYは父・金正日(キム・ジョンイル)死去2周忌の直前、叔父を処刑し、事実上執権第2期を開いた金正恩の来週の日程と動きを追跡した。金正恩がどんな統治スタイルを見せるかを予想する手掛かりになるからだ。
父の金正日の2周忌追悼式、米バスケットボールスターのデニス・ロッドマンの3度目の訪朝が続く来週は、独り立ちを始めた金正恩が北朝鮮体制の根幹「一人領導体系」の伝統を継続するかどうかを見せる分岐点となる可能性がある。
コ・ユファン東国大教授(北朝鮮学)は「金正恩は叔父を処刑する姿をそのまま公開することで、自分が父(金正日)の“隠遁政治”とは違う統治術を駆使するという点を見せた。若いからと見くびってはいけない」と述べた。こうした金正恩であるだけに、張成沢処刑後の最初の1週間も、対内外的に堂々たる姿を誇示する“マイウェイ”になる可能性が高いと観測される。
◆12-2月に北朝鮮の「白頭血統」記念行事相次ぐ
北朝鮮の12月には記念日が多い。北朝鮮のロイヤルファミリーである「白頭血統」に関連し、父・金正日が12月17日(2011年)に死去し、祖母・金正淑(キム・ジョンスク、金日成夫人)が12月24日(1917年)に生まれ、金正恩本人も12月30日(2011年)に最高司令官となった。続いて金正恩の誕生日と知られる1月8日、金正日の誕生日の2月14日が続く。2月14日は、金日成(キム・イルソン)の誕生日である「太陽節」(4月15日)とともに、北朝鮮の最大祝日の一つだ。
焦眉の関心事は17日の金正日追悼式だ。金正恩が張成沢粛清過程で重用した勢力を北朝鮮の新しいパワーエリートとしてデビューさせる舞台になると予想される。朝鮮中央テレビは14日のニュースで、「(金正日)追悼式出席のために在米同胞インターネット新聞『民族通信』の代表らが到着した」と伝えた。
追悼式の後には、今年2月と9月に訪朝した元NBAバスケット選手のロッドマンが3度目の平壌訪問をする。金正恩が心を開く友人として知られるカナダ人のマイケル・スペーバーと米国人のジョセフ・ターウィリガー米コロンビア大遺伝学科教授が仲介したという。
19日には公式外交行事も予定されている。開城(ケソン)工業団地南北共同委第4回会議、G20(主要20カ国・地域)および国際金融機関代表団の開城工業団地訪問だ。南北共同委の会議は張成沢が粛清された12日に北朝鮮が提案し、注目された。北朝鮮は政府が提案した金融機関代表団の開城工業団地訪問も、張成沢処刑事実が公開された13日に受け入れた。張成沢粛清が北朝鮮の対外政策にいかなる影響も与えないということを誇示する狙いがあると解釈される。
張成沢粛清が進行されていた8日、北朝鮮が中国と新義州(シンウィジュ)-平壌-開城をつなぐ高速鉄道・高速道路建設契約を締結したと北朝鮮メディアが報道したのも、「張成沢粛清が朝中関係にいかなる影響も及ぼさない」という点を強調するためのものと分析される。
キム・ヨンス西江大教授(政治外交学)は「関連文書を入手して読んだところ、問題の契約は『高速鉄道事業をしよう』ということだけで、具体的な内容は全くない」とし「中国通の張成沢を粛清したが、中国とはいかなる問題もないと宣伝しようという意図だ」と述べた。続いて「金正恩は(5月に)崔竜海(チェ・ヨンヘ)が訪中した際、随行した人たちを通じて、中国に自分の人脈を築いたとみられる」と述べた。金正恩が中国通である張成沢を粛清するのに先立ち、中国にあらかじめネットワークを構築しておいたということだ。
父の追悼式、ロッドマンの3度目の訪朝など世界の耳目が平壌に集中する来週1週間、金正恩は健在を誇示するため意図的に誇張された笑顔を浮かべたり、劇的な姿を演出する可能性が高いと、専門家らは予想した。
金正日のカナダ人の友人スペーバーはロッドマンの訪朝がキャンセルになる可能性があるかという中央SUNDAYの質問に対し、「敏感なことであることは記者もよく知っているだろう」とのみメールで14日に明らかにした。他の専門家らは張成沢処刑に関係なくロッドマンの訪朝は予定通りに行われるという見方を示した。
CNN放送は13日、「ロッドマンが“バスケット外交”のために出発する準備を終えた」とし「19-23日に北朝鮮バスケット選手の練習のために訪朝する予定」と報じた。ロッドマンは来年1月にも訪朝し、平壌で朝米バスケット親善試合を行う予定だ。
また、全米ホッケーリーグ(NHL)選手も年初に訪朝し、北朝鮮チームと親善試合を行うことを推進していると、カナダメディアのマクリーン(Maclean)が今月初め報道した。NHL側は事実確認を要請する中央SUNDAYに対し「答えることはない」と回答した。(中央SUNDAY第353号)
北朝鮮、恐怖政治の衝撃が消えれば「大赦免」も 「広幅政治」を展開か(2)
張成沢処刑後の初日、北朝鮮は金正恩賛歌で埋まった。労働新聞は14日付3面に「我々は金正恩同志しか知らない」と題した「政論」とともに、「党と首領の信任を破った者、この地に生きて呼吸するところはない」という内容を載せた。
朝鮮中央テレビは14日、「私たちはあなたしか知らない」という賛歌を続けて放送した。「我々が望む夢と理想をすべて花咲かせてくださる方、偉大な金正恩同志(中略)その方が指し示す一つの道へ、千万が暴風を打ち砕いて進む」という歌詞が字幕で出てきた。
中央SUNDAYは父・金正日(キム・ジョンイル)死去2周忌の直前、叔父を処刑し、事実上執権第2期を開いた金正恩の来週の日程と動きを追跡した。金正恩がどんな統治スタイルを見せるかを予想する手掛かりになるからだ。
父の金正日の2周忌追悼式、米バスケットボールスターのデニス・ロッドマンの3度目の訪朝が続く来週は、独り立ちを始めた金正恩が北朝鮮体制の根幹「一人領導体系」の伝統を継続するかどうかを見せる分岐点となる可能性がある。
コ・ユファン東国大教授(北朝鮮学)は「金正恩は叔父を処刑する姿をそのまま公開することで、自分が父(金正日)の“隠遁政治”とは違う統治術を駆使するという点を見せた。若いからと見くびってはいけない」と述べた。こうした金正恩であるだけに、張成沢処刑後の最初の1週間も、対内外的に堂々たる姿を誇示する“マイウェイ”になる可能性が高いと観測される。
◆12-2月に北朝鮮の「白頭血統」記念行事相次ぐ
北朝鮮の12月には記念日が多い。北朝鮮のロイヤルファミリーである「白頭血統」に関連し、父・金正日が12月17日(2011年)に死去し、祖母・金正淑(キム・ジョンスク、金日成夫人)が12月24日(1917年)に生まれ、金正恩本人も12月30日(2011年)に最高司令官となった。続いて金正恩の誕生日と知られる1月8日、金正日の誕生日の2月14日が続く。2月14日は、金日成(キム・イルソン)の誕生日である「太陽節」(4月15日)とともに、北朝鮮の最大祝日の一つだ。
焦眉の関心事は17日の金正日追悼式だ。金正恩が張成沢粛清過程で重用した勢力を北朝鮮の新しいパワーエリートとしてデビューさせる舞台になると予想される。朝鮮中央テレビは14日のニュースで、「(金正日)追悼式出席のために在米同胞インターネット新聞『民族通信』の代表らが到着した」と伝えた。
追悼式の後には、今年2月と9月に訪朝した元NBAバスケット選手のロッドマンが3度目の平壌訪問をする。金正恩が心を開く友人として知られるカナダ人のマイケル・スペーバーと米国人のジョセフ・ターウィリガー米コロンビア大遺伝学科教授が仲介したという。
19日には公式外交行事も予定されている。開城(ケソン)工業団地南北共同委第4回会議、G20(主要20カ国・地域)および国際金融機関代表団の開城工業団地訪問だ。南北共同委の会議は張成沢が粛清された12日に北朝鮮が提案し、注目された。北朝鮮は政府が提案した金融機関代表団の開城工業団地訪問も、張成沢処刑事実が公開された13日に受け入れた。張成沢粛清が北朝鮮の対外政策にいかなる影響も与えないということを誇示する狙いがあると解釈される。
張成沢粛清が進行されていた8日、北朝鮮が中国と新義州(シンウィジュ)-平壌-開城をつなぐ高速鉄道・高速道路建設契約を締結したと北朝鮮メディアが報道したのも、「張成沢粛清が朝中関係にいかなる影響も及ぼさない」という点を強調するためのものと分析される。
キム・ヨンス西江大教授(政治外交学)は「関連文書を入手して読んだところ、問題の契約は『高速鉄道事業をしよう』ということだけで、具体的な内容は全くない」とし「中国通の張成沢を粛清したが、中国とはいかなる問題もないと宣伝しようという意図だ」と述べた。続いて「金正恩は(5月に)崔竜海(チェ・ヨンヘ)が訪中した際、随行した人たちを通じて、中国に自分の人脈を築いたとみられる」と述べた。金正恩が中国通である張成沢を粛清するのに先立ち、中国にあらかじめネットワークを構築しておいたということだ。
父の追悼式、ロッドマンの3度目の訪朝など世界の耳目が平壌に集中する来週1週間、金正恩は健在を誇示するため意図的に誇張された笑顔を浮かべたり、劇的な姿を演出する可能性が高いと、専門家らは予想した。
金正日のカナダ人の友人スペーバーはロッドマンの訪朝がキャンセルになる可能性があるかという中央SUNDAYの質問に対し、「敏感なことであることは記者もよく知っているだろう」とのみメールで14日に明らかにした。他の専門家らは張成沢処刑に関係なくロッドマンの訪朝は予定通りに行われるという見方を示した。
CNN放送は13日、「ロッドマンが“バスケット外交”のために出発する準備を終えた」とし「19-23日に北朝鮮バスケット選手の練習のために訪朝する予定」と報じた。ロッドマンは来年1月にも訪朝し、平壌で朝米バスケット親善試合を行う予定だ。
また、全米ホッケーリーグ(NHL)選手も年初に訪朝し、北朝鮮チームと親善試合を行うことを推進していると、カナダメディアのマクリーン(Maclean)が今月初め報道した。NHL側は事実確認を要請する中央SUNDAYに対し「答えることはない」と回答した。(中央SUNDAY第353号)
北朝鮮、恐怖政治の衝撃が消えれば「大赦免」も 「広幅政治」を展開か(2)
この記事を読んで…