森井ユカ氏(49)。日本人の彼女は、粘土のキャラクターデザイナーとしても知られるが、「スーパーマーケットの女王」としてさらに有名な人物だ。スーパーマーケットに行くために全世界をめぐる彼女は、フィンランドのスーパーマーケットのケチャップ容器からアイスランドのマグロ缶に至るまで、使いやすくデザインも優れた用品を集めて分析してきた。関連書籍を20冊以上出版し、展示会も数回開いた。日本のメディアは「ささいな用品も彼女が集めると芸術になる」という評を出した。
森井氏の本『スーパーマーケットマニア』は韓国内でも翻訳紹介されて1万部近く売れた。「韓国SGS観光案内人材養成教育プログラム」に講師として招かれてソウルを訪れた森井氏に先月25日会った。「スーパーマーケットを見ればその国の文化・価値観が読み解ける」というのが講演のテーマであった。
◆基本に忠実な日本、差別化試みる韓国
森井氏がインタビュー場所に望んだ場所は、ソウル市内の某大型マート。カートを引っ張って現れた彼女はインタビューの途中で歩みを止めて商品を見たりしていた。彼女は「物質過剰の現代社会では、食料品・生活用品メーカーは競争に生き残るために非常に悩む」と話し始めた。「消費者に選んでもらうために商品をどのようにパッケージングするのか、どんな味や触感に人気があるかを見れば、その国の価値観や感覚を読み解くことができる。その国の人々が魅力があると感じるものの集まった場所がスーパーマーケットである理由」というものだ。
彼女がとりわけ関心を見せたのは牛乳の陳列場所であった。「日本では牛乳を入れる容器はたいていガラス瓶なのに、韓国はプラスチックパックを使い、軽くて丈夫な感じを与える。日本より利便性を重視するようだ」とした。さらに「日本の牛乳ビンには大きな文字で『牛乳』と書いている。ひどい言い方をすれば『騒々しい』デザインだ。『牛乳』なのだから『牛乳』と書いておくという、基本に忠実な日本人の考え方が感じられる。一方、韓国の牛乳パックには『牛乳』の表記は小さくなっている代わりに商品についての説明が記されている。イメージや色も多彩だ。『牛乳』というものは皆が知っているのだから別のコンテンツで差別化を試みるという考えが読み取れる」と話した。
森井氏のスーパーマーケットへの耽溺は21才の時、デザインを勉強していた学生時代に始まった。スペインにバックパック旅行に行ったがお金がすっかりなくなった。レストランに行けないのでスーパーマーケットで食事を調達して「どうせなら美しくておいしいものを探してみよう」という考えで注意深く物を観察した。そうしているうちにスペインのスーパーマーケットはスペインの強烈な品性に似ているという結論を下した。卒業後、粘土工芸で人気を得て生計に余裕ができると本格的な世界のスーパーマーケットツアーに出た。英国王室も認めるスーパーマーケットのウェイトローズ(Waitrose)はもちろん北欧の小さな雑貨屋まで歩き回った。さらに郵便局・ドラッグストア(米国や欧州で薬・化粧品と食料品を売る店)にも領域を広げた。その結果「日常用品のデザインが便利で美しい国が先進国」という結論を得た。
「日常用品は他人に見せるためのものではなく、自分のための物だ。そんな物にまでデザインの概念が染み込んでいれば生活に余裕があるという証拠」ということだ。使う人の立場で便利さを考えて、毎日見ても気分が良くなるようなデザインを生活用品として使う国が先進国だという説明だ。シャンプー容器に注ぎやすいよう、詰め替え用品に小型の注ぎ口を付けた商品のように、生活用品に配慮のデザインができる余裕が重要だといった。
(中央SUNDAY第352号)
「日常用品が美しく、便利な国が先進国」…“スーパーマーケットの女王”森井氏(2)
森井氏の本『スーパーマーケットマニア』は韓国内でも翻訳紹介されて1万部近く売れた。「韓国SGS観光案内人材養成教育プログラム」に講師として招かれてソウルを訪れた森井氏に先月25日会った。「スーパーマーケットを見ればその国の文化・価値観が読み解ける」というのが講演のテーマであった。
◆基本に忠実な日本、差別化試みる韓国
森井氏がインタビュー場所に望んだ場所は、ソウル市内の某大型マート。カートを引っ張って現れた彼女はインタビューの途中で歩みを止めて商品を見たりしていた。彼女は「物質過剰の現代社会では、食料品・生活用品メーカーは競争に生き残るために非常に悩む」と話し始めた。「消費者に選んでもらうために商品をどのようにパッケージングするのか、どんな味や触感に人気があるかを見れば、その国の価値観や感覚を読み解くことができる。その国の人々が魅力があると感じるものの集まった場所がスーパーマーケットである理由」というものだ。
彼女がとりわけ関心を見せたのは牛乳の陳列場所であった。「日本では牛乳を入れる容器はたいていガラス瓶なのに、韓国はプラスチックパックを使い、軽くて丈夫な感じを与える。日本より利便性を重視するようだ」とした。さらに「日本の牛乳ビンには大きな文字で『牛乳』と書いている。ひどい言い方をすれば『騒々しい』デザインだ。『牛乳』なのだから『牛乳』と書いておくという、基本に忠実な日本人の考え方が感じられる。一方、韓国の牛乳パックには『牛乳』の表記は小さくなっている代わりに商品についての説明が記されている。イメージや色も多彩だ。『牛乳』というものは皆が知っているのだから別のコンテンツで差別化を試みるという考えが読み取れる」と話した。
森井氏のスーパーマーケットへの耽溺は21才の時、デザインを勉強していた学生時代に始まった。スペインにバックパック旅行に行ったがお金がすっかりなくなった。レストランに行けないのでスーパーマーケットで食事を調達して「どうせなら美しくておいしいものを探してみよう」という考えで注意深く物を観察した。そうしているうちにスペインのスーパーマーケットはスペインの強烈な品性に似ているという結論を下した。卒業後、粘土工芸で人気を得て生計に余裕ができると本格的な世界のスーパーマーケットツアーに出た。英国王室も認めるスーパーマーケットのウェイトローズ(Waitrose)はもちろん北欧の小さな雑貨屋まで歩き回った。さらに郵便局・ドラッグストア(米国や欧州で薬・化粧品と食料品を売る店)にも領域を広げた。その結果「日常用品のデザインが便利で美しい国が先進国」という結論を得た。
「日常用品は他人に見せるためのものではなく、自分のための物だ。そんな物にまでデザインの概念が染み込んでいれば生活に余裕があるという証拠」ということだ。使う人の立場で便利さを考えて、毎日見ても気分が良くなるようなデザインを生活用品として使う国が先進国だという説明だ。シャンプー容器に注ぎやすいよう、詰め替え用品に小型の注ぎ口を付けた商品のように、生活用品に配慮のデザインができる余裕が重要だといった。
(中央SUNDAY第352号)
「日常用品が美しく、便利な国が先進国」…“スーパーマーケットの女王”森井氏(2)
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