あるグループの人事担当役員は最近、系列会社の労組の幹部を訪問し、「来年から20%ほど賃金が自動的に上がる」と説明した。通常賃金(基本給)が高まり勤労時間が短縮されるなどの各種政策が、労使間の交渉とは関係なく賃金を上げていると話しながらだ。この役員は「賃金と福祉レベルを低めようという言葉は取り出すこともできなかった」と語った。反対するのが明らかだからだ。この役員は「5年間ほど紛糾なく安定基調が続いてきたが、来年もこうした基調が続くかどうか疑問」と述べた。
勤労条件を低めれば労組が反発し、賃金調整もなく政府の政策をそのまますれば、経営事情が悪化するからだ。これに関し全国民主労働組合総連盟(民主労総)金属労組は「各種手当および定期賞与金の支給形態を変動級に変更するのを阻止し、未支給法定手当の支給を要求するべき」という指針を出した。韓国労働組合総連盟(韓国労総)は「組合員全体が(通常賃金)訴訟に参加することが組織団結と労組の交渉力を高めるのに効果的」というマニュアルを一線の事業場に送った。
政府の政策をめぐり労使が争う雰囲気が全国事業場に漂っている。来年の労使関係は尋常でないという見方が出ている理由だ。全国的な紛糾となる可能性も排除できない。
雇用労働部も同じ考えだ。雇用部は最近作成した「2013年労使関係評価と2014年展望」で「定年延長の軟着陸のための賃金ピーク制導入、通常賃金範囲の拡大による賃金体系改善過程などで、産業現場の労使葛藤が増幅されるだろう」と予想した。「賃金団体交渉交渉の過程で使用者側が定年延長、通商賃金問題による負担を減らそうと賃上げ縮小などを主張するとみられるが、労組はこれを拒否する可能性が高く、産業現場の労使関係は順調ではないだろう」と説明しながらだ。
さらにサムスン電子サービス・仁川空港公社のように発注・下請け間の労使葛藤も社会イシューになると予想した。公共機関の負債と放漫経営を改善する過程で組合員の福祉縮小問題が浮上すれば、公共部門の労使葛藤も深まる見通しだ。
これを総合すると、来年は政府の雇用政策が労使関係の悪化につながるということだ。賃上げのような企業内の勤労条件問題が葛藤を誘発した従来とは完全に違う様相だ。
それでも雇用部の政策が変化する可能性は現在のところない。雇用部は「主な労働政策は体系的かつ一貫して推進する」という立場だ。今年はゼネストがなかった。労使紛糾は昨年1-10月の90件から今年1-10月は53件に急減した。政権発足初期に労使紛糾が多かったことに比較すると、比較的安定した労使関係が形成された。
韓国経営者総協会のファン・ヨンヨン労使対策チーム長は「来年はすべての企業が政府政策という同じイシューで一斉に労使間の葛藤を経験するとみられ、ゼネストのような全国単位の大規模な紛糾が発生する可能性がある」と憂慮した。
これに対する雇用部の対策は原則的だ。雇用部は「労・使・政間の議論を通じて合理的な案を出す」ということだ。また「法と原則を堅持し、労使自律で解決できるよう事業場の指導を強化する」という。
しかし雇用部さえも労・使・政間の合意は容易ではないという点を認めている。雇用部は今年の労使関係を評価しながら「通常賃金に対する労使間の隔たりのため、社会的な対話による合意案を導出できない状況」と指摘した。「勤労時間の短縮も労使間の隔たりが相変わらずで、時間選択制の雇用についても労働界の批判が続き、企業は適合する職務発掘の困難、労務管理・費用負担などの困難を吐露している」と述べた。こうした不満と憂慮を解消しなければ事実上、労使間の自律解決は期待するのが難しい状況だ。
チョ・ジュンモ成均館大(経済学)教授は「社会的な合意の後、政策を推進するという前後関係が逆になり、労使葛藤の津波が迫っている」とし「企業の現実を度外視した政治的な労使関係で漂流する可能性がある」と警告した。
勤労条件を低めれば労組が反発し、賃金調整もなく政府の政策をそのまますれば、経営事情が悪化するからだ。これに関し全国民主労働組合総連盟(民主労総)金属労組は「各種手当および定期賞与金の支給形態を変動級に変更するのを阻止し、未支給法定手当の支給を要求するべき」という指針を出した。韓国労働組合総連盟(韓国労総)は「組合員全体が(通常賃金)訴訟に参加することが組織団結と労組の交渉力を高めるのに効果的」というマニュアルを一線の事業場に送った。
政府の政策をめぐり労使が争う雰囲気が全国事業場に漂っている。来年の労使関係は尋常でないという見方が出ている理由だ。全国的な紛糾となる可能性も排除できない。
雇用労働部も同じ考えだ。雇用部は最近作成した「2013年労使関係評価と2014年展望」で「定年延長の軟着陸のための賃金ピーク制導入、通常賃金範囲の拡大による賃金体系改善過程などで、産業現場の労使葛藤が増幅されるだろう」と予想した。「賃金団体交渉交渉の過程で使用者側が定年延長、通商賃金問題による負担を減らそうと賃上げ縮小などを主張するとみられるが、労組はこれを拒否する可能性が高く、産業現場の労使関係は順調ではないだろう」と説明しながらだ。
さらにサムスン電子サービス・仁川空港公社のように発注・下請け間の労使葛藤も社会イシューになると予想した。公共機関の負債と放漫経営を改善する過程で組合員の福祉縮小問題が浮上すれば、公共部門の労使葛藤も深まる見通しだ。
これを総合すると、来年は政府の雇用政策が労使関係の悪化につながるということだ。賃上げのような企業内の勤労条件問題が葛藤を誘発した従来とは完全に違う様相だ。
それでも雇用部の政策が変化する可能性は現在のところない。雇用部は「主な労働政策は体系的かつ一貫して推進する」という立場だ。今年はゼネストがなかった。労使紛糾は昨年1-10月の90件から今年1-10月は53件に急減した。政権発足初期に労使紛糾が多かったことに比較すると、比較的安定した労使関係が形成された。
韓国経営者総協会のファン・ヨンヨン労使対策チーム長は「来年はすべての企業が政府政策という同じイシューで一斉に労使間の葛藤を経験するとみられ、ゼネストのような全国単位の大規模な紛糾が発生する可能性がある」と憂慮した。
これに対する雇用部の対策は原則的だ。雇用部は「労・使・政間の議論を通じて合理的な案を出す」ということだ。また「法と原則を堅持し、労使自律で解決できるよう事業場の指導を強化する」という。
しかし雇用部さえも労・使・政間の合意は容易ではないという点を認めている。雇用部は今年の労使関係を評価しながら「通常賃金に対する労使間の隔たりのため、社会的な対話による合意案を導出できない状況」と指摘した。「勤労時間の短縮も労使間の隔たりが相変わらずで、時間選択制の雇用についても労働界の批判が続き、企業は適合する職務発掘の困難、労務管理・費用負担などの困難を吐露している」と述べた。こうした不満と憂慮を解消しなければ事実上、労使間の自律解決は期待するのが難しい状況だ。
チョ・ジュンモ成均館大(経済学)教授は「社会的な合意の後、政策を推進するという前後関係が逆になり、労使葛藤の津波が迫っている」とし「企業の現実を度外視した政治的な労使関係で漂流する可能性がある」と警告した。
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