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【コラム】「北朝鮮の軍事費1兆ウォン」は誤り(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
--文正仁(ムン・ジョンイン)延世大教授コラムに反論する--

先月5日のチョ・ボグン国防部情報本部長の国政監査での発言と、先月7日の金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官の国会予算決算委員会での発言をめぐり、論争が起きている。「南北が1対1で戦えばどちらが勝つか」という質問に対し、チョ本部長は「独自の軍事力では我々が不利だ」と答え、金長官は「戦争をすれば結局、北は滅亡することになるだろうが、韓国だけの戦力は北に比べてまだ80%程度にしかならない」と述べた。

すると延世大の文正仁教授は中央日報11月25日付の「いつまで『韓国軍劣勢論』なのか」と題したコラムで、韓国軍を“韓国軍劣勢論”を通じて国防費を増やそうとする情けない集団であるかのように描写した。「南北の経済力格差が38倍にのぼり、国家予算の10%に相当する34兆ウォンを国防費にあてる韓国軍の軍事力が、1兆ウォン(約1000億円)の軍事費を使う北の軍に比べてまだ劣勢という主張は納得がいかない」とまで述べた。


まず北朝鮮が2004年3月25日に最高人民会議で国防費を発表して以来、韓国国防研究院は北朝鮮の国防費を5兆-6兆ウォン程度と発表してきたが、これを1兆ウォン規模というのは理解できない。また文教授は「1990年以降、北は経済難で滅びたが、なぜ韓国軍が劣勢なのか」という疑問を提起した。北朝鮮は強盛大国建設期間(1998-2012)に民生を放棄し、多くの国家予算を第2経済体制、すなわち軍需経済に集中した。北朝鮮軍需経済の特徴は、人員・資源・軍事科学技術の投入に別途の予算が必要でないという点だ。ただ、情報によると、過去の金正日(キム・ジョンイル)総書記の年間統治秘密資金は約10億ドル(約1兆1000億ウォン)程度だったが、その大半を海外からの武器開発関連物資の購買やぜいたく品の輸入に使ったという。

さらにチョ・ボグン情報本部長は先月5日、北朝鮮軍が休戦ラインから100キロ以内(黄海道沙里院-江原道通川ラインの南)に全体兵力の70%(70万人)、火力の80%(8000門)、戦車2000台を前進配置したと述べた。強盛大国期間の北朝鮮軍の戦力増加実態、大規模な軍構造改編、そして極端な前線配置が初めて公開される瞬間だった。



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