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【社説】金正恩、唯一支配を完成…韓半島安定に誘導を

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮のナンバー2とされる張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が失脚したと、韓国情報当局が推定している。北朝鮮の権力地図に大きな変動が発生したのだ。張成沢は2年前、金正日(キム・ジョンイル)総書記が死去する前から、後継者・金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の後継を後押ししてきた。その張成沢の失脚は、1人独裁全体主義国家として北朝鮮の特性である「唯一支配体制の完成」と評価できる。過去2年間、党・政・軍の主要人物を何度も入れ替えることで自分の支配力を強化してきた金正恩が、最後に自分の後見人である張成沢までも“兎死狗烹”したのだ。抑圧的な住民統制システムが極度に発達した北朝鮮で、張成沢の失脚が体制の不安定につながるとは考えにくい。1994年の金日成(キム・イルソン)主席の死去と2011年の金正日の死去に続く権力移譲期に今回のような粛清は見られたが、後継権力者に挑戦する個人と集団は事実上なかった。

とはいえ、北朝鮮権力層の内部に不満が広がる可能性はある。このため北朝鮮の対南・対外強硬姿勢が激しくなると懸念される。対外的緊張感を高めて不満が膨らむのを遮断する必要があるはずだ。金正恩が過去2年間、核実験と開城(ケソン)工業団地閉鎖など米国と韓国に対して激しく挑発したことがこれを傍証している。

一方、金正恩の唯一支配体制の確立が、逆説的に果敢な改革につながる可能性もある。実際、金正恩の登場後、改革性向を誇示しようというさまざまな試みが見られた。また、前任者の金正日が改革を推進しては翻すという姿勢を見せてきたのとは違い、金正恩は少なくともこの2年間は改革を拡大してきた。核兵器を放棄しない限り改革が大きな成果をもたらすのは難しい。にもかかわらず、北朝鮮経済に一部改善の兆しがあるという観測も出ている。


北朝鮮が権力移譲の過渡期を抜け出す兆しだ。これを受け、韓国の対北朝鮮政策も点検する必要が生じた。金正恩の「唯一支配体制の完成」が南北関係の発展と韓半島情勢の安定に寄与するよう導いていく方策について悩む時だ。



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