中国はこれまで、5000億ドル規模の海外直接投資のうち3000億ドルをエネルギー採堀権の確保に集中的に注ぎ込んでいる。世界の石油・ガス関連買収合併(M&A)取引の20%程度を中国が占める。中国がこのように世界の石油・ガス資源に莫大な投資をする意図は何だろうか。
最初に、経済成長で石油・ガス需要は途方もなく増加するのに比べ、中国内の石油・ガス生産可能量がこれにはるかに及ばないためだ。特に2000~2012年の中国の石油消費は毎年7.2%ずつ増加してきた。中国は必要な石油の58%を海外から輸入しており、その比重は2035年まで増加して最高72%まで達する見通しだ。これに伴い、海外の原油採堀権確保が絶対的に必要だった。
2番目、環境問題による世界的な炭素排出の減少措置により、石炭をガスなどほかのエネルギー源に変える必要性が大きくなったためだ。エネルギーの70%を石炭(電力生産の75%を占有)に依存する中国は大気汚染が深刻だ。したがって現在、1次エネルギー消費の4%を占めるガスの比重を2025年までに10%に増やす計画だ。電力生産で石炭が占める比率を50%まで減らし、その分をガスに変えるつもりだ。
3番目、中国は米国がシェール革命でエネルギーの自立度を高めているのに刺激されて、自国の対応策を講じているためだ。国際エネルギー機構(IEA)は、米国がシェール革命で2020年には世界第1位の石油生産国になり、2035年には完全なエネルギー自給自足が可能だと見ている。したがって、これまで米国がエネルギー安保次元で繰り広げてきた中東に対する関心が、シェール革命によって低下する見通しだ。このように「地政学的エネルギー安保プレーヤー」であった米国が徐々に退場しながら中国がこの役割を代行する準備をしているのだ。
4番目、中国はエネルギー安保レベルで石油・ガスを安定的に供給してもらうために安全な運送路の確保と供給地域の多角化が切実なためだ。2030年まで資源の80%を海外供給に依存しなければならない中国としては死活問題だ。特に中国は、中東と一部アフリカ産エネルギーを自国に持ってくる運送路で活動する海賊や、東南アジアのマラッカ海峡を支配する米国海軍を意識している。これに伴いロシア・東アジア・ミャンマーを経由する送油管の貫通を推進する一方、西部アフリカを重視する外交政策を行っている。
5つ目、中国が国際エネルギー市場の影響力あるプレーヤーとして登場するための長期的な布石をしているためだ。最近の米国のシェールブームと世界的な環境汚染防止対策により、国際石油メジャー(IOC)は相当な打撃を受けて経営上の苦戦をまぬがれなくなっている。一方、中国の3大国営石油会社は全世界の約30%を占める自国の需要を基に、海外エネルギー投資まで行いながら国際エネルギー市場をリードする態勢だ。
韓国はこうした中国のエネルギー海外直接投資によるビジネス環境変化に備えなければならない。最初に、全世界の石油・ガス採堀権の投資家になった中国国営の石油企業や関連企業の受注が増えるだろう。それだけエネルギー・造船海洋・鉄鋼・設備産業・資源産業・海運など韓国の関連企業の受注が脅威を受ける可能性に備えなければならない。2番目、中国の石油化学関連産業の競争力が高まる中で生産者かつ需要者として中国企業らが市場の受注競争で優位を確保する状況に備えなければならない。3番目、国際石油市場で発言権が高まった中国の影響力の行使に常に注目しなければならない。すでに中国は産油国であると同時に世界最大の原油輸入国に浮上した。特に中国が米国との政策的対決に備えて国際エネルギー市場で政治・経済的影響力の発揮に備えなければならない。
ホン・インギKAIST経営大学招へい教授・元証券取引所理事長・大宇(デウ)造船海洋社長
最初に、経済成長で石油・ガス需要は途方もなく増加するのに比べ、中国内の石油・ガス生産可能量がこれにはるかに及ばないためだ。特に2000~2012年の中国の石油消費は毎年7.2%ずつ増加してきた。中国は必要な石油の58%を海外から輸入しており、その比重は2035年まで増加して最高72%まで達する見通しだ。これに伴い、海外の原油採堀権確保が絶対的に必要だった。
2番目、環境問題による世界的な炭素排出の減少措置により、石炭をガスなどほかのエネルギー源に変える必要性が大きくなったためだ。エネルギーの70%を石炭(電力生産の75%を占有)に依存する中国は大気汚染が深刻だ。したがって現在、1次エネルギー消費の4%を占めるガスの比重を2025年までに10%に増やす計画だ。電力生産で石炭が占める比率を50%まで減らし、その分をガスに変えるつもりだ。
3番目、中国は米国がシェール革命でエネルギーの自立度を高めているのに刺激されて、自国の対応策を講じているためだ。国際エネルギー機構(IEA)は、米国がシェール革命で2020年には世界第1位の石油生産国になり、2035年には完全なエネルギー自給自足が可能だと見ている。したがって、これまで米国がエネルギー安保次元で繰り広げてきた中東に対する関心が、シェール革命によって低下する見通しだ。このように「地政学的エネルギー安保プレーヤー」であった米国が徐々に退場しながら中国がこの役割を代行する準備をしているのだ。
4番目、中国はエネルギー安保レベルで石油・ガスを安定的に供給してもらうために安全な運送路の確保と供給地域の多角化が切実なためだ。2030年まで資源の80%を海外供給に依存しなければならない中国としては死活問題だ。特に中国は、中東と一部アフリカ産エネルギーを自国に持ってくる運送路で活動する海賊や、東南アジアのマラッカ海峡を支配する米国海軍を意識している。これに伴いロシア・東アジア・ミャンマーを経由する送油管の貫通を推進する一方、西部アフリカを重視する外交政策を行っている。
5つ目、中国が国際エネルギー市場の影響力あるプレーヤーとして登場するための長期的な布石をしているためだ。最近の米国のシェールブームと世界的な環境汚染防止対策により、国際石油メジャー(IOC)は相当な打撃を受けて経営上の苦戦をまぬがれなくなっている。一方、中国の3大国営石油会社は全世界の約30%を占める自国の需要を基に、海外エネルギー投資まで行いながら国際エネルギー市場をリードする態勢だ。
韓国はこうした中国のエネルギー海外直接投資によるビジネス環境変化に備えなければならない。最初に、全世界の石油・ガス採堀権の投資家になった中国国営の石油企業や関連企業の受注が増えるだろう。それだけエネルギー・造船海洋・鉄鋼・設備産業・資源産業・海運など韓国の関連企業の受注が脅威を受ける可能性に備えなければならない。2番目、中国の石油化学関連産業の競争力が高まる中で生産者かつ需要者として中国企業らが市場の受注競争で優位を確保する状況に備えなければならない。3番目、国際石油市場で発言権が高まった中国の影響力の行使に常に注目しなければならない。すでに中国は産油国であると同時に世界最大の原油輸入国に浮上した。特に中国が米国との政策的対決に備えて国際エネルギー市場で政治・経済的影響力の発揮に備えなければならない。
ホン・インギKAIST経営大学招へい教授・元証券取引所理事長・大宇(デウ)造船海洋社長
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