ポスコの鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長(65)。
なぜこのようになったのだろうか。鉄鋼景気の悪化も重要な理由だ。だが、財界では鄭会長の経営戦略にも相当な責任を負わせている。鄭会長の基本的な経営戦略は買収合併(M&A)を通した事業多角化であった。それなりの判断根拠はあった。彼がポスコの蔵を譲り受けた後、世界は本格的な経済危機局面に入り込んだ。景気低迷で鉄鋼需要は急減した。反面、中国という新興強者の登場で供給はあふれ出た。宝山鋼鉄をはじめとする中国の製鉄所は政府の硬い支援下に急速に拡大していった。市場には中国製鉄鋼製品があふれ、鉄鋼相場はより一層悪くなった。鉄鋼だけでやっていくことは難しいという問題意識が事業多角化の出発点だった。
営業益は半減、信用等級も下落…韓国ポスコの「失われた5年」(2)
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