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【社説】宗教界の一角のねじれた国家観、度を超えた=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
一部かもしれないが政治に向かう宗教家の越境行為がそろそろ度を超えている。特に先週天主教正義具現司祭団全州(チョンジュ)教区代表の時局ミサは政治対立の新たな火種をつける状況に達した。不法選挙糾弾と大統領の辞任要求というミサの趣旨自体が非常に政治的だった。

ミサの途中にある神父は北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発に対しこのように話した。「NLL(北方限界線)問題がある地域で韓米軍事運動を継続すれば北朝鮮がどのようにしなければならないか? 北朝鮮から撃たなければならない。それが延坪島砲撃事件です」。

彼の発言の脈絡を見ればまるで韓国が延坪島を不法占拠しているように映る。また、その近くで韓国が米国と軍事訓練をしたので北朝鮮が撃つだけの理由はあったという話となる。戦死者とその遺族、そして軍将兵の心境は少しも配慮せず北朝鮮の反倫理的挑発に韓国が原因を提供したと転嫁したのだ。これが韓国の神父が、それも延坪島挑発3周忌に口にすることができる言葉なのか。これに対し人権という概念すらない北朝鮮の世襲政権に対しては批判しなかった。もっとも正義具現司祭団所属のある神父は以前の北朝鮮訪問当時に金日成(キム・イルソン)の墓地を参拝し、「将軍様、もう少し長生きされれば。残念です」と書いたというから、彼らの国家観と理念性をよく知ることができる。


正義具現司祭団のミサでは朴槿恵(パク・クネ)大統領の下野論も出てきた。国家情報院コメント事件が選挙不正であるから当選を認定できないという論理であるようだ。野党も超えようとしない「大統領選挙不服」の線をふわりと超えたわけだ。国家機関の大統領選挙介入疑惑に対しては現在司法手続きが進行中だ。その結果により真相究明と責任者処罰がなされる見込みだ。それでも神父が乗り出して大統領の下野を主張するのは司祭の本分を忘却した行ないだ。最初は司祭の話に耳を傾けろと力添えしていた民主党も議論が大きくなると線を引こうとするほどだ。

カトリック教会の教理書2442項は「政治構造や社会生活の組織に直接介入するのは教会神父らがすべきことではない」から始まる。司祭の直接的な政治介入を禁止したのだ。公然と政治活動をする正義具現司祭団の一部神父はこれに違反している。政教分離を明示した憲法の精神にも外れる。

司祭は一般信徒の精神的指導者だ。信徒の価値観と世論形成に大きな影響を与える。したがって司祭は対立で汚れた社会の中心に立ち愛と平和を伝播する責務を負う。果たして正義具現司祭団の時局ミサは呪いと扇動を排撃し愛と平和を伝えたのか。

きのう天主教ソウル大教区長の廉洙政(ヨム・スジョン)大主教はこのように話した。「ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が発表した『司祭の職務と生活指針』でも政治や社会活動に積極的に介入することにより教会的親交の分裂を引き起こす可能性があることを警告しました」。偏向的な政治行動をしている一部司祭が深く熟考しなければならない言葉だ。



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