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安保に公安・経済も含めた中国版NSC…少数民族・ネット統制強化に憂慮

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国が12日閉幕した共産党第18期中央委員会3次全体会議(3中全会)で発表された国家安全委員会の設立趣旨は、国家安保戦略を樹立して国家安全を確保するというものだ。人民大学国際関係学院の時殷弘教授もやはり「複雑多端な国際環境において効率的かつ迅速な国家主権を保衛して、外交力を強化するための創造的発想」と評価した。

しかしその裏には、米国のアジア回帰戦略と尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日本との紛争や南シナ海領有権紛争などに、より強力に対処するという意志が含まれていると見られる。尖閣問題をめぐって日本との緊張はさらに高まりかねない。北核危機など領域内の安保問題が発生する場合、中国が自国の核心利益を理由に強硬策を採択する可能性も大きくなり、それだけ韓半島の緊張が高まる可能性があるということだ。

この委員会は、現在の国内外の安全と外交問題を総括する「中央外事工作領導小組」を拡大改編したと見ることができる。この小組は党中央政治局傘下の非常設の組織として国家安全に危険を及ぼす問題が発生した場合に招集されていた。


習近平国家主席を委員長として、党核心の政治局員や国務委員、国防長官、外交部長、公安部長、国家安全部長ら16人が委員だ。しかし安全委員会は党の組織ではない国家組織であり、その範囲が拡大した常設機関だ。習主席が委員長をつとめて既存の指導小組委員のほかに経済と海洋・環境など部署の首脳部が大挙参加して委員は30人を超えると予想される。特に国防長官が参加した小組とは違い、委員会には人民解放軍の総参謀部が参加すると発表されており、有事の際に迅速な武力を動員する可能性を高めた。中国において国防部は、軍と国務院の協力と調整の役割をするだけで武力動員や統制権はない。国内外の安保問題に社会や経済・環境問題まで網羅して汎国家保衛組織に拡大改編されたのだ。

香港の政治評論家・王雅氏は「国家安全委員会は党中央・国務院・全人代(国会に相当)・政治協商会議とともに国家5大権力機関に浮上することは明らかで、対内外の安全問題に強硬策を維持する場合、対内外的に緊張が高まる可能性が以前よりも大きくなった」と分析した。

国内の少数民族と人権問題にも強硬対応を予告しており、社会不安が大きくなりかねない。安全委員会が部署間の調整を経て迅速かつ効率的な社会統制をすることが明らかで、この場合は反発も大きくなるほかはないからだ。香港の時事評論家ジョニー・ラウ(劉鋭紹)氏は「安全委員会は各種の社会不安に効率的に対処するという名分で、少数民族や人権、インターネットなどに対する統制を強化することが明らかであり、社会安定よりもむしろ不安を増大させる恐れがある」との見方を示した。

安全委員会は1997年、当時の江沢民首席が米国の国家安全保障会議(NSC)を参考にして設立を推進したが、権力が江主席に集中することに反対した党内の反発で失敗に終わったことがある。



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