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早大・深川教授「韓国の高齢化対策、北朝鮮がワイルドカードに」(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

深川由起子教授

高齢化は、もはや避けられない全地球的な課題だ。韓国も2018年には65歳以上の人口比率が14%を超えて「高齢社会」になると予想されている。2050年には65歳以上が38.2%を占めて世界最高齢国になるだろうという研究結果もある。このような巨大トレンドに私たちはどのように対処するべきか。早稲田大学政治経済学部の深川由起子教授(55)は25年間韓国を研究し、日本国内でも韓国経済・高齢化の専門家として数えられている。1日、彼女に会って日本の高齢化事例と韓国の対応方案について聞いてみた。この日のインタビューにはイ・クァンジェ中央SUNDAY客員コラムニスト(元江原道知事)と、西江(ソガン)大学国際大学院の趙潤済(チョ・ユンジェ)教授(元大統領府経済補佐官)が同席した。

--高齢化に関心を持つことになったきっかけは。

「高齢化は韓国だけの問題ではない。日本も代表的な高齢化国家だ。1つの国が発展し続けるには潜在成長率が後押しされなければならず、このためには人口が着実に増えて社会が活力を維持しなければならない。アジアの高齢化が急速に進んで近い将来、深刻な問題になると思った」


--韓国でも高齢化現象は簡単な問題ではないが。

「高齢化社会から高齢社会へと移行するのにフランスが100年以上かかったのに比べ、日本は24年しかかからなかった。韓国はさらに短く18年というが、最近のすう勢から見るとより一層短縮されるようだ。それだけ備える時間が長くないということだ。韓国が高齢化の峠をしっかり越えられなければ、中国との競争でより一層困難になるだろう。韓国がどのように対処していくかは、同じ困難を経験しているほかのアジア諸国の間でも焦眉の関心事だ」

--日本は高齢化にどのように対処したか。

「1960年代から施行されてきた福祉6法という基本法に加えて90年代には高齢化に備えた財源準備のために介護保険制度をつくり、40歳以上は義務的に加入するようにした。だが政治的な試行錯誤が少なくなかった。自民党内には福祉族・教育族・安保族などとりわけ族が多いが、彼らが官僚と結託して高齢者福祉を積極的に前面に出した。簡単な算法ではないか。若い人が選挙に参加せずに人口構造が逆三角形になって行くと、選挙時期がくれば票のために高齢化対策を前面に出すほかはなかった」

--韓国ではどんな対策が必要だと思うか。

「日本を反面教師としなければならない。(紙に漢字を書きながら)対策は自助・公助・官助など大きく3つが可能だ。韓国は現在の自助と官助の概念しかないが、これからは共助が最も役に立つ。本人が健康や働き口をあらかじめ確保しておく自助や、中央政府と地方自治体の人的・財政的支援だけでは限界が明らかだ。個人でも政府でもない中間子的な第3者の役割がどうしても必要だ」

--どんな共助が可能なのか。

「何よりもコミュニティを積極的に活用しなければならない。特に農村地域の老齢化が深刻だが、住民たちは隣の家庭事情までみな知った上でつき合っていないだろうか。だからこそ自主的な共同体の集まりによって高齢者をオーダーメード型で世話するようにして、政府は補助金を支援する制度がはるかに効率的だ。地域の非政府組織(NGO)を積極的に活用するのも方法だ」

彼女はそれと共に「小さな日常的解決法から探していく必要がある」と強調した。「とても簡単に使える携帯電話を高齢者たちに支給して、ボタンさえ押せば一日3回来るバスがいつ来るのか確認できるようにすれば、途方もない予算を投入したどの政策よりも満足度が高い。高齢者たちの話し相手になるサービスも重要だ。これは痴呆症の予防にも役立ち、国家的にも保険料の支出を大きく減らせる」。

--韓国も60歳定年延長制度を導入することにした。社会的意味や波紋が小さくないようだが。

「定年延長も重要だが、その前に合理的な雇用安定に対する社会的合意が先行しなければならない。考えてみてほしい。大部分が50歳を超えたらほかの職場を探さなければならないというのが厳然たる現実ではないだろうか。55~65歳でも現在の職場にいられると期待する人はあまりいないのではないか。このように定年という概念が意味を喪失した状態で『名目』的に延長だけをするのは実効性が大きくない」

--どんな努力が伴うべきだと思うか。

「定年延長は年金制度と直結しているということに注目する必要がある。ドイツと日本の政府が定年延長に積極的な理由の1つは、年金支給時期を最大限遅らせることができるためだ。このためには政府・企業・国民が皆で協力しなければならない。トヨタのように65歳定年制を維持する企業には政府がインセンティブを提供するなど積極支援するものの、企業も高齢者のための雇用をつくり出すなど社会的責任を全うしようと努力しなければならない。国民も賃金ピーク制などを受け入れなければならない。事実、政府の立場でも高齢者の雇用企業に補助金を支給するほうが、引退した人にそのまま年金を支給するよりもはるかにお金がかからない」

--結局は高齢者の健康が、社会的にも産業的にも大変重要になるようだ。

「健康こそ福祉費用を減らし国家財政もしっかりさせる鍵だ。特に韓国は、高齢者の体の健康だけではなく心の健康にも気を遣わなければならない。韓国の高齢者の自殺率は圧倒的に世界1位だ。日本より6倍も高い。老人性うつ病患者もいかに多いことか。子供が世話をする時代はすでに終わったが、政府ができることには限界がある。それで共助が重要だ。産業的にも韓国の先んじた情報技術(IT)にメディケア産業を連係させれば、競争力のある韓国型ベンチ

ャー企業が出てくる可能性もある」

(中央SUNDAY第348号)



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