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【グローバルアイ】2つの夢、衝突する2つの日本

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
名勝負だった。韓国シリーズほど日本シリーズも激戦だった。3日、弱体球団の東北楽天ゴールデンイーグルスが第7戦までもつれる接戦の末、東京の最高人気球団、読売ジャイアンツを破った。設立9年目に初めて頂点に立った。

韓国シリーズはどちらが勝ってもドラマだった。1勝3敗からシリーズをひっくり返したサムスン、リーグ4位から波乱の主人公になるところだった斗山ともに“ミラクル”だ。

しかし日本シリーズは楽天側にドラマ的な重みが傾いた。宮城県仙台が本拠地で、大地震・原発事故被害地域の東北を代表する球団という象徴性のためだ。160球を投げた翌日にまた登板したエースの力投、約40年のプロ野球選手・監督人生で初優勝を味わった星野仙一監督(66)の言葉も話題だったが、日本メディアがさらに注目したのは東北に伝えるメッセージだった。


「東北を盛り上げる」と言った監督は、シリーズ中ずっと「高校時代の闘魂でやってほしい」と選手たちを激励した。優勝が決まった後には「東北に勇気を与えた選手たちをほめてやってほしい。大震災で苦労されている人たちを癒やしたいという気持ちでやってきた」と語った。速かな原発事故収拾と復興という「東北の夢」に勇気を与えたシリーズ、楽天は絶望と戦う人々に希望を与えた。

しかし野球場を出た東北の現実は厳しい。自民党の第2人者の石破茂幹事長は2日、ある講演で「『この地域では住民が暮らせない。その代わり手当を出す』と、いつか誰かが話さなければならない時期がくる」と述べた。「希望者全員帰還」という政府の原発周辺地域対策基調をもう変えて、いつかは率直に本心を住民に打ち明けなければいけないということだ。

9月中旬に「原発事故2年6カ月企画」のために訪問した福島第1原発の周辺は痛ましかった。廃虚となった町を掌握した野生のサルと車の中に押し寄せる高い数値の放射能、原発にうんざりという住民の絶叫ばかり記者の記憶に残っている。日本がコントロールできない汚染水の流出は世界に恐怖を与えている。

こうした悲劇は、安倍晋三首相の政治的な師であり首相在任時に原発推進論者だった小泉純一郎元首相までも「原発ゼロ伝導師」に変えた。安倍首相の昭恵夫人も「原発稼働に使うお金の一部を新しいエネルギー開発に使い(そうして作られた)グリーンエネルギーを海外に売ろう」とし、公開的に原発に反対している。

しかし原発論者の安倍首相は先月末トルコを訪問し、原発受注を実現させ、国内原発の再稼働にも積極的だ。アベノミクスの成長戦略に原発は欠かせないという信念のためだ。「自国の事故も収拾もできないのに、海外に原発を売っている」という福島の怒りの声も出ている。東北の夢と安倍首相の夢、2つの異なる夢が衝突している。

ソ・スンウク東京特派員



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