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【コラム】バイコリアを見るひねくれた視線=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
小さな外資誘致も一筋の光となっていた時期があった。通貨危機当時の1998年、風前の灯火の国に投資する外国人に国民は歓迎の拍手を送った。あちこちから投資のニュースが聞かれた。通貨価値が暴落した韓国は彼らには良い投資機会であり、そのおかげで韓国も回復の足がかりを確保した。ウィンウィンゲームだった。当時産業部の新人記者だった記者に、「1億ドル以上の外資誘致なら無条件で主要記事として書くように」というデスクの指示があった記憶もある。いまの基準では大きな記事にならない事案だった。

雷のようにやって来て44日間にわたり続いている今回のバイコリアをわれわれはどのように見ているだろうか。2種類のタイプが多いようだ。まず「得意顔型」。これだけしっかりとしたファンダメンタルズを持つ韓国になぜいまごろ来たのかという見方だ。経済官僚に会えば詳しい説明を聞くことができる。豊富な外国準備高、低い短期対外債務比率、安定した経常収支黒字…。

もっと多いのは「ひねくれ型」だ。「外国人だけのお祭り」とか「個人は疎外された」とバイコリアを見る。韓国市場や個人投資家を利用しひと儲けしようとする外国人の陰険な意図があると考える。


もちろんこうした疑いは根拠のないことではない。適当な動きで市場を乱れさせたいくつかの事例が思い浮かぶ。過去バイコリアに遅れて便乗し最高値で株を買った個人投資家の教訓も忘れてはいけない。今回のバイコリアもいったいなぜ、だれが主導するのか正確な実体を把握しにくいという点で警戒心を持つ必要はある。

そうは言ってもこうした中で1回ぐらい考えてみなければならないことがある。韓国社会の根深い反外資感情だ。株式市場だけでもそうだ。株式市場はだれかが利益を得れば反対側が損害をこうむる構造ではない。ゼロサムゲームである派生市場とは根本的に違う。外国人が韓国株式を買い集める間にKOSPI指数は2050を超え国内投資家は満足げに株式を売り気苦労を終わらせただろう。

金融部門より反外資感情がもっと深刻なのは実体分野だ。外国人企業家に会ってみれば韓国で起業しにくい点として税金やインフラではなく反外国感情を挙げる。優秀な知識と資本で韓国を脅して金を巻き上げるという妙な被害意識が根付いているという。進歩指向の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領すら韓国経済が一段階跳躍するには反外資感情を克服しなければならないと強調したことがある。

最近米国はオバマ大統領が外資誘致に直接乗り出している。英国はイスラム資金誘致に向け西側諸国では初めてスクーク(イスラム債券)を発行することにした。ところで韓国は? 外国人の直接投資(FDI)が今年に入り10%以上減った。大口の外国人投資が行われるというニュースは見た記憶さえほとんどない。こうした外国人投資不振が構造的なものなのか、もしや外国資本に対する偏見のためではないかと1度ぐらい振り返ってみることだ。15年前に小さな外資誘致のニュースにも拍手したその時の気持ちでだ。

ユン・チャンヒ経済部門記者





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