米国家安保局(NSA)がドイツのメルケル首相をはじめとする35カ国の指導者を盗聴してきたという。
実際、情報機関についてはどの国も口が堅い。外部から見ると何でもないことや明らかなことでも口を閉じるのが普通だ。国内の情報専門家に尋ねたところ、「情報がどれほど恐ろしいかをよく知っているため」という。例えば2009年12月30日にアフガニスタンで殉職した米中央情報局(CIA)要員7人の告別式に出席するため、CIA本部を訪れたオバマ大統領は、彼らの功績を称えながらも身元と活動については一言も口にしなかった。イスラエル政府は、海外情報機関モサドの要員が2010年にドバイで監視カメラに顔が映って公開されても、1997年にヨルダンで毒殺作戦に失敗して逮捕されても、表面上は一貫してとぼける。国家情報院の裏庭には殉職者を称える慰霊塔があるが、96年10月1日にロシア・ウラジオストクで毒針で殺害され、メディアに公開されたチェ・ドクグン領事を除いては、誰が、いつ、どこで、何をして、どのように、なぜ殉職したかはすべて秘密だ。
情報機関の活動と関連し、オバマ大統領の釈明や謝罪を受けるのは難しいということだ。ある情報専門家は「今回の事件はスパイ活動に敵と友邦はなく、私たちの国家元首の友人である外国指導者も例外ではないという冷酷な現実を見せる証拠」と評価した。続いて「こうした現実をきちんと認識し、国益を守る防諜活動を強化することが重要だ」と話した。