モンゴルのエルベグドルジ大統領が２８日、平壌（ピョンヤン）に到着し、北朝鮮訪問日程に入った。エルベグドルジ大統領は北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）第１書記長と首脳会談をする予定だと、韓国政府当局が明らかにした。ある当局者は「モンゴル大統領の訪朝は２００４年１２月以来。金正恩にとって執権後初めての首脳会談となる」と説明した。２００４年に当時のバガバンディ大統領が訪朝したが、金永南（キム・ヨンナム）最高人民会議常任委員長と会談し、金正日（キム・ジョンイル）総書記とは会わなかった。

エルベグドルジ大統領はこの日午前１１時５５分ごろ、平壌順安空港に到着し、招請者の金永南常任委員長に迎えられた。労働新聞はこの日、「親善の情を抱いて来る使節」と題した社説で、「モンゴル大統領の今回の訪問が双務親善関係を一段階拡大発展させるうえで意味のある契機になることを期待する」と明らかにした。

韓国政府の当局者は「羅先経済特区の開発にモンゴル側が参加する問題と、モンゴルに派遣される北の人材（現在約１７００人規模）の拡大、情報技術（ＩＴ）および農畜産分野の経済協力などが主要議題になるだろう」と予想した。特に「モンゴル系企業の在日本朝鮮人総連合会（朝鮮総連）中央本部再競売落札と重なり、今回の訪朝に注目している」と説明した。


朝鮮総連系の朝銀信用組合の破産で競売にかけられた東京の朝鮮総連本部の建物は１７日、モンゴル企業アヴァールが５０億１０００万円で落札した。これに関し、モンゴル・日本・北朝鮮間の３角コネクション疑惑とともに北朝鮮・モンゴル首脳会談取引説が提起された。

北朝鮮とモンゴルは１９４８年の修交後、社会主義国として友好協力関係を維持してきた。しかし９０年、韓国とモンゴルの修交後は関係がもつれた。９９年にモンゴルが金大中（キム・デジュン）政権の対北朝鮮太陽政策を支持すると、北朝鮮はこれに反発し、モンゴル駐在大使館を撤収したりもした。外交消息筋は「両国関係が回復の兆しを見せたのは２００２年８月、新友好協力議定書を締結した後」と話した。翌年１１月にモンゴル首相が北朝鮮を訪問し、２００４年にはバガバンディ大統領が平壌を訪問した。

今年に入って北朝鮮とモンゴル関係は強まっている。７月の１カ月間にモンゴル政府が４回の代表使節団を平壌に派遣した。８月には崔富日（チェ・ブイル）人民保安部長を団長とする保安部代表団がウランバートルを訪問し、モンゴル大統領と会った。９月にはモンゴル政府の経済・貿易代表団が北朝鮮を訪問し、議定書を締結した。政府関係者は「モンゴル石油会社が北の勝利精油会社の株式２０％を引き受け、北の農地開墾事業にモンゴルの技術者が参加するなど、最近になって両国間の経済協力が目立っている」と話した。