(上)韓国電子通信研究所(ETRI)の研究員がリアルタイムメディア復旧技術が特許として入った高品質映像会議システムを試演している。現場感ある遠隔協業が可能で、映像が途切れる現象を防ぐ。ETRIの昨年の技術料収入は360億ウォン(約33億円)(写真=ETRI)。(下)ETRIが開発した自動通訳技術「ジニートーク」の試演。音声認識・翻訳技術がある。英語・日本語通訳が可能で、年内に中国語も加わる予定。
ETRIでは毎年2200件の特許が出願される。特許管理費用だけで年間160億ウォンにのぼる。ETRI設立から37年間に積み重ねてきた努力が「特許工場」に結びついたのだ。1976年の設立以降、デジタル電子交換機(TDX)と符号分割多重接続(CDMA)商用化、地上波DMB、4G移動通信およLTE-Advanced(LTE-A)など、ETRIの成果は枚挙にいとまがない。
22日に訪問したETRIでは、あちこちで未来を準備する研究員が忙しく動いていた。ETRIの研究員は「ETRIの現在が世界の未来」と口をそろえる。ここの研究は5-10年後の私たちの日常を描いている。
ETRI知識財産経営室長のシン・ジョンヒョク弁理士は「これまで出願件数など外部に見せる数値を重視してきた特許戦略が、今では内容中心に変わっている」とし「その一つの手段がサムスンとアップルの特許戦争で広く知られた標準特許」と述べた。オバマ大統領の拒否権行使で標準特許の価値が少しずつ落ちているが、特にICT領域で市場をリードするためには標準特許の確保が一次目標だ。
ETRIがICT部門で確保した標準特許は309件。標準特許の確保は技術料収入に直結する。3G通信技術で確保した標準特許8件は期待通りETRIに大きな技術料収入を抱かせた。3Gで信号処理方式を改善し、電力消耗を減らす標準特許だったが、昨年、世界端末企業4社と米国で訴訟となった末、4400万ドル(約466億ウォン)を受けるのに成功した。2つ目の訴訟対象は中国をはじめとする端末企業、3つ目はチップを製造する企業にまで拡大する計画だ。この場合、技術料収入は2億、3億ドルになると見込んでいる。CDMAを商用化した当時にクアルコムから技術料として受けた3500億ウォンと同じ規模だ。
問題はLTE後の5G(5世代)方式。ETRIは5G技術の先行獲得のため、9月1日にサムスン・SKテレコムなどとタスクフォース(TF)を発足させた。アン・チドク通信インターネット部門所長は「もう韓国ICTは好むか好まないかにかかわらずファーストムーバー(First Mover)になるしかない」とし「標準を決める3GPPなどと協議するが、私たちの動向に大きな関心を向けている」と話した。
5G技術はギガプロジェクトに連結する。ネットワークはもちろん、コンテンツ・プラットホーム・端末機すべてを1Gbps(1秒に1ギガビットを伝送)級に格上げするプロジェクトだ。ネットワーク速度だけを見ても今より100倍速い。2020年までに5500億ウォンを投じる大型プロジェクトで、このプロジェクトが完成すれば3D(3次元)ホログラム動画が可能となり、テレビでは現在の超高画質(UHD)より鮮明な映像を見ることができる。
韓国特許の産室…DMB・LTE-Aもここで生まれた(2)
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