10日、ソウル梨花洞(イファドン)「命の電話」事務室で相談をしているチェ・ジャンスク相談員。
記者は11日午後8時14分、麻浦大橋でフードジャンパーをかぶって涙を拭いていたAさん(14)を発見した。Aさんは「独占欲が強く、親しい友人が違う友達と付き合う姿を見ると腹が立つ」として「今日、絶交宣言をした」と打ち明けた。記者が相談員から習った相談技術を思い出し「私も中学生の時に似たことがあった」と言って共感を示すと克服方法を尋ねてきた。Aさんは結局「胸の内の話をしたらよくなった」と言って戻っていった。
15日午後11時頃には1人でいる記者を自殺しようとしていると誤認した20代の男女3人がやってきて引き止めようともした。ソウル市災難対応課の関係者は「これまで119には単純目撃者中心の申告が入ってきたが、昨年、命の電話と112(事件申告)と連係して統合システムをつくり、投身直前の自殺未遂者の構造率が高まった」と明らかにした。56.1%に過ぎなかった生存構造率は、今年9月までに94.8%に急増した。
ソウル市とサムソン生命が共に昨年9月、麻浦大橋を「命の橋」として改修し、わざわざ訪ねてくる観光客も増えた。「何の悩みがあるの?」など橋の上に書かれたメッセージのほかにも、命の電話の上に「君は1人じゃない」「頑張ってみんな」など励ましの言葉が書かれている。
ユク・ソンピルQPR自殺予防研究所長は「韓国の人々は、自殺を失敗と見るために周辺の人々に簡単に悩みを打ち明けることができない」として「命の電話は、匿名性が保障されていて感情を思うままに表現できるという長所がある」と話した。順天郷(スンチョンヒャン)大精神健康医学科のファン・ジェウク教授は「自殺を試みる人が最後に電話機をかける瞬間に電話をとることが重要だ」として「それで若干の時間を稼ぐことが、1つの命を生かすためのスタート」だと説明した。
<韓国の自殺防止取り組み>漢江の橋の上の「命の電話」…彼らはなぐさめて欲しかった(1)
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