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妻の電話番号も思い出せない…もしかしたら私も「デジタル認知症」?=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
最近、携帯電話をなくしたチェさん(37) は、会社の電話で妻に連絡をしようとして急に頭がぼんやりした。当然知っていると思っていた妻の携帯電話番号が思い出せなかったのだ。チェさんはおぼろげに思い浮かんだ数字をたどっていき、3度試した末にようやく妻と電話で話ができた。チェさんは「スマートフォンに保存した短縮番号“1”だけが頭の中を巡っていた」とし、「普段スマートフォンだけに依存していたため、記憶力が相当悪くなっていたようだ」と話した。

先端デジタル機器が現代人の生活全般を支配したことで「デジタル認知症(Digital Dementia)」を訴える人が増えている。スマートフォン・タブレットPC・コンピューター等に対する依存度が高まり、記憶力や計算能力が大きく低下する症状を意味する。家族の誕生日や記念日などが思い出せなかったり、よく通っていた道もナビゲーションがなければ道に迷ったりする現象などがその代表的なものだ。「脳疾患」だと判断するのはまだ難しいが、日常生活をするのに不便を感じ、各種ストレスを誘発する要因になるという点で深刻性がある。

20日にオンライン・アンケート調査会社「ドゥイット・サーベイ」が5823人を対象にしたアンケート調査によると、全体の回答者のうち3分の1(33.7%)は家族の親・兄弟の電話番号を覚えていないと答えた。「直系家族以外に覚えている電話番号」を問う質問に36.2%が1~2つだと答えており、一つも覚えていない人も16.7%であることが集計された。6つ以上覚えている回答者は15.6%にとどまった。不眠症・頭痛のように、デジタル認知症が現代人にとってありふれた症状になっているという傍証だ。


『Digitale Demenz』の著者であるドイツの脳科学者マンフレッド・スピッツァー(Manfred Spitzer)博士は「道を探すことはカーナビが、連絡先の暗記は携帯電話が代わりにしてくれる最近の環境が、精神活動を利用し制御する能力を後退させている」とし、「デジタル認知症は無能でもいい暮らしから始まった」と皮肉った。短縮キーやボタン1つで記憶力と思考能力を代行してくれるデジタル装備が「記憶しようとする努力と習慣」を不要にし、結局はデジタル認知症を悪化させているということだ。医学的に、人の記憶は主に脳の「海馬」という部位が担当している。記憶力を使わなければ海馬が萎縮して記憶容量が減る。日頃、運動をしないと筋肉量が減るように、脳も使わなければ記憶・認知機能が低下すると言える。

専門家たちは▶前日に食べた食事メニューが思い出せない▶周りの人と意思疎通の80%以上をスマートフォンなどで済ませる▶愛唱歌の歌詞を見ないと歌を歌えない--といったケースが多ければ、デジタル認知症を疑ってみる必要があると説明する。

もちろんデジタル認知症がすぐに日常生活に深刻な問題をもたらすわけではない。しかし、これを放置し続けた場合、デジタル機器がなければ何もできない心理的なパニックに陥りかねず、脳の特定部分の発達と機能に不調和を引き起こす恐れがある。

デジタル認知症の治療法としては「デジタルダイエット」が最も有力だ。デジタル機器に対する依存を減らして、適切な休息と一緒に脳をよく活用する習慣をつけるということだ。日記を書いたり新聞や雑誌を読んだり、簡単な計算は頭の中にしてみることがその例だ。情緒的安定や円満な対外関係のためにもデジタル機器の使用時間を統制したほうがいい。



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