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ビラを入れて撃つ砲弾、2017年に実戦配備=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

心理戦のため訓練を受けている国軍兵士が旧型ビラ砲弾にビラを入れている。155ミリ牽引砲を利用する旧型砲弾は射程距離が約10キロにすぎない。

全羅南道木浦市大義洞の露積峰。ここでは、壬辰倭乱(文禄の役)当時、李舜臣(イ・スンシン)将軍が大きな岩をわらで覆って軍用米に、川の水に灰を入れて米のとぎ汁と見せかけ、倭軍を後退させたという露積峰の伝説が伝えられている。韓国戦争(1950-53)当時、中国共産軍は夜中に笛を吹いたり太鼓を叩いて進撃する作戦で、連合軍を緊張させた。戦闘せずに相手の士気を低下させ、戦列をかく乱する心理戦の代表例だ。心理戦は現代戦でも有効だ。インターネットをまひさせて不安感を抱かせたり、デマを広めて世論を操作するサイバー戦争とともに、心理戦は「第4世代戦争」に挙げられる。

テレビ、ラジオ、インターネットでは限界がある北朝鮮向の韓国軍の心理戦技術が1段階アップグレードされた。ビラを入れた砲弾、別名「ビラ砲弾」の射程距離を大幅に増やしたビラ弾の開発が完了し、早ければ2017年から実戦配備される。軍関係者は16日、「戦争や局地挑発など有事の際、北の住民や韓国国民に戦争状況や実状を知らせる用途でビラ弾を開発してきた」とし「従来のビラ砲弾に比べ射程距離が大幅に増え、後方まで浸透しなくてもビラを散布できる」と話した。

軍はその間、ビラ散布のために風船を主に活用する計画だった。民間団体が臨津閣や江華島などからヘリウムガスを入れた風船にビラの束をぶら下げ、北朝鮮地域に送る方法だ。タイマーを設定してビラを飛ばすと、一定時間後に爆発し、ビラが地に落ちる。軍関係者は「風船を利用したビラ散布は風や天気の影響を大きく受ける。どこに落ちるかも分からず、風の方向によっては韓国に戻ってくることもある」と話した。


155ミリ牽引砲の砲弾や航空機に搭載してビラを散布する技術もある。しかし155ミリ牽引砲は射程距離が10キロ程度にすぎない。航空機散布方式も空中で投下した直後、風の影響で目標地点に送るのに限界があった。

軍が今回開発したのは、射程距離を大幅に増やしたビラ弾をK-9自走砲などに搭載し、50キロ以上飛ばして送る方法だ。人命殺傷を防ぐために破片が入る部分にビラを入れて発射する簡単な方式だ。砲弾が地上に触れる時に発生する衝撃波で外皮が分解された後、破片の代わりにビラがまかれるという原理だ。しかし砲弾が地上で爆発する際に発生する熱気と火炎でビラが破損する可能性がある。これを防ぐため、軍はビラを保護する装置を開発して搭載した。軍の関係者は「ビラの大きさによって一度に数百枚から数千枚のビラが破損なく散布される」と説明した。

また軍は抵抗力減少剤を砲弾に使用し、射程距離を大幅に増やした。従来の砲弾に比べ5倍増の約50キロの射程距離を確保した。ソウルと延坪島(ヨンピョンド)からそれぞれ発射する場合、開城と海州に達する。正確度が優れたK-9などで発射する場合、誤差範囲は数十メートルにすぎないと、軍はみている。目標地点に命中させることで狙った地域にビラをばらまき、心理戦の効果を高められるということだ。



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