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中国への依存度が高まる北朝鮮経済…人民元が2年間で172%上昇

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
北朝鮮内で中国人民元がこの2年間に172%も値上がりしたことが明らかになった。中国経済に対する依存度が高まっているという傍証だ。

国会外交統一委員会所属の尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)議員(セヌリ党)は16日、「情報当局と対北消息筋を通じて、過去3年間の北での為替レート変動を追跡してきた」とし「中国人民元の価値は、権力世襲・天災地変・武力挑発など北の危機状況で急騰したことが分かった」と述べた。

これによると、北朝鮮内で人民元は2011年1-9月、1人民元=400ウォン台前後と安定していたが、同年10月に560ウォンに急騰した。続いて11月には640ウォン、12月には850ウォンに上昇した。金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去(12月17日)前後のこの時期、北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に権力が移った。


翌年7、8月には台風や暴雨で被害が相次ぎ、初めて1000ウォンを超えた。特に核実験など軍事挑発状況を控え、人民元が暴騰するパターンを見られた。昨年11月には1250ウォンだったが、1カ月後の12月には1350ウォンまで上がった。12月に北朝鮮が長距離ミサイル「銀河3号」を発射した。続いて3度目の核実験(2月12日)を控えた1月には1450ウォンまで上がり、過去最高となった。その後、北朝鮮が1号戦闘勤務態勢に入り、高値水準で推移した人民元は、5月の戦闘勤務態勢解除と同時に1200ウォン台となり、やや安定した。9月現在、北朝鮮で1人民元=1250ウォンという。これは2年前(460ウォン)に比べ171.7%上昇した数値。

これに関し世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)首席研究委員は「2009年に実施された貨幣改革が失敗し、北の貨幣が“紙くず”になるという不安感が強まり、内部では賄賂さえも人民元で受けることが好まれる状況」とし「軍事挑発など内部の緊張が高まると、安定した人民元に対する需要が高まり、価値が上がっている」と説明した。また「北が挑発をする度に中国がビザ発給や通関手続きなどを厳しくするため、中国との貿易が難しくなり、人民元の供給が不足して価値が上昇する」と話した。

人民元の高騰が市場経済への転換を見せる傍証という分析もある。尹議員は「貨幣流通法と外貨管理法に基づき、個人の外貨流通が厳格に禁止された社会で、個人間の外貨取引が広範囲に広がっている」と説明した。また「特に北と中国の境界地域で商業交流が増え、中国産消費財工業品の輸入が拡大するなど、北・中経済協力が活性化し、“人民元化(Yuanization=自国の通貨が人民元に代替される現象)が強まっている」と話した。北朝鮮住民の生活必需品取引でも人民元での決済が好まれているということだ。地域別には内陸に比べ新義州・羅津・先鋒など中国との境界地域で人民元が多く取引されていることが分かった。密輸など中国との取引が活発に行われているためと分析される。

専門家は北朝鮮に対する中国の影響力はさらに強まっているとみている。キム・ヨンヒョン東国大教授(北朝鮮学科)は「人民元の値上がりは中国貨幣への依存度がそれだけ高いという意味であり、言い換えれば中国が対北経済制裁を加える場合、それだけ打撃が大きくなる」とし「中国に対する従属と依存が深まっていく構造に進むしかない」と診断した。

尹議員は「北が金融取引に必要な信用機能を確保できないため、住民のほとんどの商取引が外貨に頼るしかない経済構造に転換した」とし「挑発が自国経済を害する結果を招いただけに、北はすべての挑発行為を中止することで自国貨幣に対する信頼を回復し、市場を安定させなければいけない」と述べた。



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