陳永（チン・ヨン）保健福祉部長官と青瓦台（チョンワデ、大統領府）、与党の対立が感情的争いへと発展している。特に、陳長官がキム・ギチュン青瓦台秘書室長を通じ数回にわたり辞意を伝えたが朴槿恵（パク・クネ）大統領に伝えられなかったという話が出ながら抗命問題に真実争いまで入り乱れた。

陳長官は２９日午後、ソウル・竜山（ヨンサン）の自宅前で本紙記者と会い、「（辞意が伝えられたのかどうかは）私がわからない部分だ」としながらも、「サウジアラビアに出張に行く前にも辞意を話し、何度も話はした」と話した。親朴槿恵派の長官である自身すら大統領と直接対話できない状況であることを示すことで権力核心内部でのコミュニケーション不在を遠回しに指摘したと言える部分だ。

◆「キム・ギチュン通じ伝達」ｖｓ「辞任は首相通じなければ」


これに対し青瓦台は「そうした事実はない」と反論した　青瓦台関係者は、「（朴大統領の党代表時代に）秘書室長までした３選議員なのに常識はずれだ。長官なので当然辞任するなら首相を通じるべきなのだが。１人で頭の中だけでそのような考えを開陳したという想像をしたのかはわからないが…本当におかしなことだ」と話した。合わせて「（政策委員会議長を務めた人が）いまになってとぼけてもいいのか」と付け加えた。だが、権力内部事情に精通した親朴槿恵派のあるベテラン議員は、「多分陳長官と大統領はまったく議論にならなかったようだ。（青瓦台の構造上）だれも青瓦台に（他の）意見を伝える人がいないのが問題」と指摘した。

◆親朴槿恵派「問題起きれば先に逃げる人」

与党セヌリ党内の親朴槿恵派も陳長官を糾弾する。洪文鐘（ホン・ムンジョン）事務総長は、「大統領が信頼して任せたら最後まで対案を探し推進するのが正しい。国民みんなが見つめているが無責任な行動だ」と指摘した。嶺南（ヨンナム）地域の親朴槿恵派議員は「所信が違うからと突然辞表を出すのは国政運営に莫大な支障を与える行為」と話した。過去に陳長官が朴大統領と何度も決別したことを指摘し露骨に非難する声も少なくない。朴大統領と近いあるベテラン議員は、「陳永という人は昔から問題が起きれば先に逃げる人。彼がこれ以上どのように政治をやっていけるのか」と話した。また「ニックネームが“トルバク”（帰ってき朴槿恵派）ではないのか。この政権のシンボルのようになった人が本当にひどいのではないか。だまってはいられない」（首都圏出身議員）という非難もあふれた。



保健福祉部長官「辞任何度も話した」…青瓦台「そうした事実はない」（２）