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【コラム】なぜ、わざわざエプロンをつけたスーパーヒーローなのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

SBS(ソウル放送)の月火ドラマ『怪しい家政婦』(写真=SBS)

このような想像を、してみる。非正規職の人生に疲れたミス・キムさん〔KBS(韓国放送公社)ドラマ『職場の神』〕が、教員免許を活用してマ先生〔MBC(文化放送)のドラマ『女王の教室』〕になって、父兄がうるさくて学校を辞め、家政婦“ボンニョ”さんに転職したのではないかという。23日に初放送したSBS(ソウル放送)の月火ドラマ『怪しい家政婦』のパク・ボンニョ(チェ・ジウ扮)は、先に放映された2つのドラマの主人公とそっくり似ている。無表情でかたい語り口、秘密の過去がそうだ。ボンニョさんの優れた家事のお手並みやマジック・ジャグリングなどの技芸もすでにミス・キム時期に検証されたことがあり、数学オリンピックの問題もてきぱき解く能力は、彼女の前職が先生であったかも知れないという推測を後押しする。

3つのドラマは全て日本ドラマのリメーク作品だ。日本で『女王の教室』は2005年、『ハケンの品格』(職場の神)は2007年、『家政婦のミタ』(怪しい家政婦)は2011年に放映された。公教育の崩壊、非正規職差別、家族解体という日本社会の問題を解決する主役として神にも通じる能力を備えた“女性スーパーヒーロー”を共通して前面に出し、成功した。特に『家政婦のミタ』は、東日本大震災後の家族を強調する雰囲気に力づけられ、最終回の視聴率は40%という大記録を打ち立てた。一時“韓国情緒には合わない”という評を受けていたこのドラマたちが、最近相次いでリメークされたのは韓国社会もやはり似たような苦悩に直面しているという証拠だ。

ところで、なぜ女性スーパーヒーローなのだろうか。これは2000年代初めに登場した“草食男子”という新造語とも関連がある。どういうわけか4人の子供たちの父親になったが「朝起きて子供たちを見ると息が詰まる」と告白する『怪しい家政婦』の父親(イ・ソンジェ扮)は、草食動物のように限りなく弱くなった男を代表している。困難な世の中で彼らの背中を強く押して家庭をつくって守っていこうとすれば、女たちは“肉食化”する。女性の性を最大限隠した無味乾燥な身なり(白いシャツにエプロンだけをかけているが、すらりとしているのはチェ・ジウだからなのである)でロボットのような女主人公は、社会が要求する強い女性像を最大限誇張したキャラクターだ。


ハリウッド産の男性スーパーヒーローが主に守るのは、危険に陥った地球だ。その一方、日本から渡ってきたこの「笑わないお姉さん」たちは、危機に瀕した会社を、学校を、そして家庭を救うために奮闘する。性の役割についての固定観念がひそんでいるようだが、考えてみればそうでもない。もしかしたら正体が分からない外界の種族から人類を救うことよりも、私が踏みしめている現実をしっかりと確かめていくことの方が、はるかに難しくて重要なのだから。

イ・ヨンヒ文化スポーツ部門記者



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