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野党「すべての高齢者に支給を」…基礎年金法の国会通過厳しく=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政府が苦心の末に基礎年金施行案を出したが行く道は順調には見えない。野党と市民団体などの反対が激しい上に国民年金と連係し国民年金加入者の反発も一部予想されるためだ。

保健福祉部は25日に発表した施行案を基に基礎老齢年金法改正案をまとめ、11月に国会に提出、来年7月に施行するという計画を持っている。法案が国会に進めば保健福祉委員会の壁を越えなければならない。この委員会の委員21人のうち10人が野党所属のため相当な困難が予想される。国会先進化法により国会議長の職権上程も不可能な状況だ。

韓国政府は▽財政の持続の可能性を高め▽現世代の高齢者の貧困を緩和し▽未来世代の安定した公的年金を保障する――という3種類の基本方向を考慮して基礎年金施行案をまとめた。制度が初めて施行される来年7月から2017年まで総額39兆6000億ウォン(約3兆6180億円)という多額の資金が投入される。全額を租税で充当する。大統領職引き継ぎ委員会で一時検討した国民年金基金の転用はなかったことにした。政府は朴槿恵(パク・クネ)大統領の公約通りにすると2040年に158兆ウォン、2060年に380兆ウォンの資金が必要となり耐え難いとみている。そこで所得が多い上位30%を対象から除外した。代わりに彼らに対しては社会奉仕支援プログラムを運営することにした。彼らが社会奉仕活動を行う場合、政府は事業費を支援する内容で130億ウォンほどの予算を編成する予定だ。政府関係者は、「引退者などの社会参加を奨励しなければならないという朴大統領の構想が反映されたもの」と説明した。


このような状況だが民主党は政府に受給者を増やすことを要求する見通しだ。「すべての高齢者に20万ウォン支給」という公約履行を強く促しているためだ。不確実な経済事情を考慮すると与党と政府がこれを受け入れるのは容易でないだろう。与野党合意がなされなければ法案の年内処理は水泡に帰しかねない。こうなると来年7月からの施行に支障が生じる。

2011年2月に国会で年金改善特別委員会が構成され基礎老齢年金改善案を議論しようとしたが、会議は何度も開かれずうやむやになったケースがある。今回も政治攻防を行いそのようになる可能性がある。するとこれまでのように所得下位70%の高齢者391万人に9万6800ウォンだけ支給する基礎老齢年金制が存続することになる。

国民年金加入者団体の反発も激しい。民主労総と参与連帯など21の労働団体と市民団体が参加した「国民年金正立国民行動」はこの日、「政府案は国民年金に加入し誠実に保険料を払っている人を逆差別するもの。公約通りすべての高齢者に20万ウォンを支給すべき」と促した。

一方、韓国開発研究院(KDI)のムン・ヒョンピョ選任研究委員は、「現行の国民年金制度は払ったお金より多く受け取る構造になっているが、未加入者はこのような恩恵を受けられずにいる。社会的公平性の次元から国民年金と基礎年金を連係することが必要だ」と話した。



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