外国で「水っぽい」という酷評を受けた韓国のビールが変わる。国内大手酒類メーカーが先を競って「エール（ａｌｅ）ビール」を出すと発表したからだ。輸入ビールの国内シェア拡大に危機感を感じた国内の酒類企業が「正統ビール」で反撃に出るという分析だ。

ビールは酵母を樽の上側の常温で発酵させるか、下側の低温で発酵させるかによってエールビールとラガービールに分かれる。国内の代表的なビールである「カス」「ハイト」などはすべて低温で発酵させたラガーだ。エールは１８－２５度の常温で発酵させ、比較的アルコール度数が高く、味が濃いのが特徴だ。

国内ビール市場シェア１位のＯＢビールは今年末、エールビール市場に進出すると発表し、準備作業を進めている。ＯＢビールの関係者は「すでに開発を終えたが、冬においしいエールの特性を考え、発売時点を検討している」と説明した。


これに先立ちチャン・インスＯＢビール社長も５月、「すでにエールビールのヒューガルデンを国内でＯＥＭ（発注者ブランドによる生産）で生産しているので、自社ブランドを生産するのに全く問題はない」と話していた。

ライバル企業のハイト真露は一足先にエールビール市場に参入した。今月初め、デンマークのアレクティアとの技術提携を通じて、国内大手ビールメーカーでは初めて「クイーンズエール」を発売したのだ。ハイト真露によると、「クイーンズエール」は大手スーパーなどに供給して品切れになるなど、発売と同時に人気を集めている。

国内大手酒類企業が相次いでエールビール市場に進出しているのは、最近急速にシェアを伸ばしている輸入ビールへの反撃と考えられる。酒類輸入協会によると、昨年のビール輸入量は合計７３５９万ドル、７４７５万リットルだった。このようにビール輸入量が増える理由は、さまざまな味を求める消費者の欲求が反映されているためと分析される。

ある大手スーパーの関係者は「輸入ビールの中でも最近はエルディンガーやパウラーナーなどエールビールに対する需要が増えた」と説明した。一部では、昨年ある海外メディアが「韓国ビールは北朝鮮の大同江ビールよりまずい」で酷評した点も影響したと分析されている。

現在の世界ビール市場でラガーとエールのシェアは７対３だが、韓国市場ではエールのシェアが１％未満と推定されている。ある業界関係者は「エールの国内シェアはグローバル平均を大きく下回り、成長潜在力は大きい」と予想した。