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【噴水台】11歳の少年の人権も守れない韓国社会に倫理を論じる資格はあるか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

イラスト=キム・フェリョン記者。

大学時代のノートを引っ張り出してみた。高難度の問題解決の糸口を探すために。探したかったのは道徳的価値が互いに衝突する場合、価値の優先順位を決める方法に対する内容だった。習った記憶はあるのに正確な表現はこんがらかる。しかし見つからなかった。捨てることを整理というので、もしかしたらそのノートが残っているだけでも良かったかもしれない。しかたなく常識だけで高難度問題に挑戦する。

問題は「蔡東旭(チェ・ドンウク)検事総長辞任までの過程に現れた価値の衝突をどのように判断するか」だ。事件概要はこうだ。ある報道機関が蔡総長に11歳の婚外子がいると報道し、これを証明するため名指しされた子どもの友人と彼らの両親そして学校などを取材し各種状況証拠を突きつけた。蔡総長はこれに対し訂正報道請求と遺伝子検査の意思を明らかにした。退屈な真実攻防が広がるところだった。この瞬間、法務部長官が公開監察を指示し、蔡総長はすぐに辞任の意思を明らかにした。そしてすぐに「公人の倫理問題か」「検察の独立性毀損か」をめぐり激しい攻防が起きた。

この過程でさまざまな形の価値が衝突した。提起された問題だけ抜き出しても検事総長が公開的に嘘をつき、子どもを否定する背倫を犯したのかの問題、政権とぎすぎすした関係の検事総長を謀略で追い出し検察を手なずけるためのものなのかの問題など簡単ではない。これらの問題はともかく、真実を糾明するというのでひとまず見守れば良いことだ。


ところでこの事件を通じ韓国社会はどのような価値判断基準を突きつけても目の前のすべての問題を跳び越える「最上位価値」をひとつ破壊した。「育つすべての子どもの人権は保護されなければならない」ということだ。いわゆる“合法的”な子どもではない婚外で生まれた子どもでも子どもの人権を蹂躪する行いは絶対にしてはならないことだ。それでもそんなことが遠慮なく行われた。もしかしたら父親かも知れない人の不正を証明するために少年の出生が露わになった。彼の母親は子どもの出生と関連しまちまちな弁解をしなければならなかったし、これによりその子どもは疑問だらけで天下に公開された。そうかと思えばあるメディアは彼の幼い友人まで引き出して「友人出生の秘密」を暴露させた。その子どもたちの情緒的な傷と混乱はだれが責任を取るのだろうか。これが正常な社会で起きることなのか。

権力街周辺の政争は常にあることだ。しかし青瓦台(チョンワデ、大統領府)は今回の事案に対し公職倫理の問題であり政争ではないと明らかにした。その言葉を信じたい。万一、子どもの人権を蹂躪してでも政争で勝とうとしたのならば、それは国民が容認できる範囲を超えることであるためだ。

ヤン・ソンヒ論説委員



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