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【社説】日本水産物の禁輸措置、通商摩擦の口実になるべきではない

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本の農林水産省の局長級幹部が今日、韓国の食品医薬品安全処や外交部などを訪問するという。9日に韓国政府が日本の福島県周辺8県の水産物輸入を全面禁止にした後、日本政府の当局者が韓国の当局者に会うために直接訪韓する道に出たのだ。日本の農水省幹部の訪韓の目的は明らかなようだ。日本産の水産物についての輸入禁止措置に対する抗議とともに、措置の撤回を要求するだろう。一部では、今回の日本政府管理の抗議訪問が今後、韓国の日本産水産物の輸入禁止措置を世界貿易機関(WTO)へ提訴する前の地ならしとの観測も出てきている。

私たちは、韓国政府の日本産水産物についての輸入禁止措置が韓日両国間の通商摩擦や貿易紛争に飛び火するべきではないと見ている。当初、韓国政府が輸入禁止措置を取った理由は、福島原子力発電所の汚染水の流出によって国民の不安感が高まった状況で“国民の健康保護”という価値を守るためのものだった。国内水産業を保護したり、過度の日本水産物輸入を防ぐための通商政策上の措置ではないということだ。韓国政府が、日本産の水産物全体ではなく「科学的に」危険性が大きいとされている福島県周辺8県のみに輸入禁止対象を限定したのもこのためだ。であれば、日本政府が今回の措置を直ちに通商紛争へ推し進めることは望ましくないだけでなく、そのようにすることもないと信じている。

ただし日本政府としても、原子力発電所の汚染水問題が議論になっている中で出てきた周辺国の輸入禁止措置に敏感にならざるをえないという事情は、十分理解するに値する。韓国政府の輸入禁止措置直後、菅義偉官房長官は「(韓国が)科学的根拠により対応することを望む」と明らかにした。それならば、この問題を通商問題ではなく「科学的根拠の問題」として解けばいいだけのことだ。韓国政府は、措置の根拠にした科学的理由を日本政府に詳細に説明し、日本側も原子力発電所の汚染水問題についての十分な情報と対策を韓国政府に伝えなければならない。行き過ぎた推測と感情の介入は禁物だ。

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