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【取材日記】氾濫する韓国のヒップホップフェスティバル、個性なし=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ここ最近、韓国の大衆音楽界は“ディス”戦に沸き立った。“ディス”は「ディスリスペクト(Disrespect)」の略語で、ヒップホップ・ミュージシャンがラップで相手を攻撃して無力化させるような行為をいう。ラッパーのSwingsが火ぶたを切って以来、E-SensやDynamic Duoのケコら有名ミュージシャンがリアルタイムで相手を非難する歌を発表した。

個人攻撃となんら変わらない歌詞内容は、連日インターネットで話題になると同時に憂慮をもたらした。だが7日に京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)の韓国国際展示場(KINTEX)で開かれたCJE&M主催の「ONE HIPHOP FESTIVAL」はタイミングよくディス戦の恩恵を受けた。CJ側は「ディス戦が始まった週末から前売りチケット数が普段の5倍に跳ね上がり、公演当日には計9000人が殺到した」と明らかにした。韓国内で初めてである上、成功のうちに終わった大型ヒップホップイベントとして記録された。

だが同時期に予定されていた「ブームバップ・ヒップホップ・フェスティバル」は来月に延期になった。当初、主催側は米国のヒップホップ・ミュージシャンのエイサップ・ロッキー(ASAP Rocky)が初来韓すると広報した。だがエイサップ・ロッキーは自身のツイッターに韓国のブームバップ・フェスティバルを指して「It’s a fake event(偽物のイベントだ)」と記した。これは国の恥だ。それだけではない。7月に開く予定だった「ワールド・ヒップホップ・フェスティバル」は公演5日前になって中止になった。音楽批評家のキム・ボンヒョン氏は「これまでに少なくないヒップホップフェスティバルが延期になったといっては静かに消えた」と話した。


ヒップホップブームに乗ったヒップホップ・フェスティバルは今後もぞろぞろと待機している。今月末に大田(テジョン)で開く予定の「HIPHOP CORE FESTIVAL」、来月ソウルで開かれる「THE CRY STAND UP Korea」「K-HIPHOP NATION」などだ。経験のない企画会社が目について不安で、出演陣が皆似通っていて残念だ。

“ソテジワアイドゥル(ソ・テジと子供たち)”が1992年『僕は知っている(ナン・アラヨ)』でセンセーションを起こしてから20年余り。ソテジワアイドゥルのヤン・ヒョンソク氏がヒップホップの音楽レーベルとして始めたYGは国内1、2位を争うエンターテインメント企業に成長した。音源チャートの上位圏に上がった曲の中でラップが含まれない曲を探すのは難しい。チョ・ヨンピルの『Hello』にも、Verbal Jintや2PM(ツーピーエム)のテギョンなど若いラッパーが参加した。確かに韓国ヒップホップは上昇の勢いに乗っている。

しかし、どうかするとすぐに中止になるような粗末な公演企画は冷や水をまともに浴びせかける。ヒップホップ・ミュージシャンも他人ばかり“ディス”するものではあるまい。お金さえもらえば主催側がどこであろうと関係なく出演陣の名簿に名前を挙げることは慎むべきだ。ヒップホップの主なファン層である10~20代初めの若者たちに失望の代わりに希望を与えるならの話だ。

イ・ギョンヒ文化スポーツ部門記者



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