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国民所得2.9%増加、4年ぶり最高水準…久々の景気回復信号=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
久々に韓国経済に薫風が吹いた。米国の量的緩和縮小に対する懸念で新興国の通貨が一斉に値下がりする中、韓国ウォンは値上がりしている。今週に入って1ドル=1100ウォンを割り、5日には1ドル1098.4ウォンで取引を終えた。6月末に比べ6%近く値上がりした。新興国から資金を移している外国人も、韓国株式市場では10営業日連続の買い越しとなり、5日のKOSPI(韓国総合株価指数)は1951まで上昇した。5日未明、「外国為替平衡基金債券(外平債)」が過去最低金利で発行されたのを祝うかのように、この日発表された4-6月期の実質国民総所得(GNI)増加率は4年ぶりの最高水準となった。

しかしこれを本格的な景気回復と予断するのは早いという指摘も出ている。体感景気が依然として良くないうえ、不動産景気は“取引の崖”から抜け出していない。経済指標が上向いても、家計は依然として冷風に苦しんでいる。

政府は5日未明、10億ドル規模の米ドル建て外平債(10年満期)を発行するのに成功した。条件も良い。発行金利が4.023%、表面金利(利子支給時に債券保有者に実際に支払う金利)は3.875%だ。当初政府が提示した加算金利は米国国債10年物比で1.35ポイントだったが、実際はこれより低い1.15ポイントで発行された。グローバル投資家の“ラブコール”が続いたからだ。表面金利が3%台に下がったのも初めての出来事だ。グローバル金融危機直後の09年4月に発行された外平債は7.26%で発行された。ユン・テシク企画財政部国際金融課長は「ムーディーズを基準に韓国と格付けが同じ(Aa3)のチリ国債は韓国に比べて加算金利が0.17ポイント高い」とし「今回の外平債発行条件は韓国経済に対する高い信頼を確認するものだ」と述べた。


外国人が注目するのは、韓国の経常収支黒字構造と良好な財政状態。国際通貨基金(IMF)は4月、「2016年主要新興国の財政および経常収支展望」を出し、韓国を「最優良」国家に選んだ。国内総生産(GDP)に対する経常収支と財政収支の黒字がともに2%を超えた唯一の新興国だった。

キム・ヨンボム金融委金融政策局長は「十分な外貨準備高や低い短期外債比率などが浮き彫りとなり、他の新興国と差が表れている」と説明した。

外国人の見方の変化は国内株式市場の流れも変えている。バンガードファンドの韓国物清算の影響で年初から7月10日まで10兆7600億ウォンの売り越しとなっていた外国人は、翌日の7月11日から買い越しに転じた。5日まで5兆ウォン以上の買い越しとなった。特にスマートフォン販売不振で外国人の空売りの標的となったサムスン電子は、2カ月間ほどで外国人が1兆ウォンほど買い越し、株価が136万ウォン台に上がった。現代証券のイ・サンジェ研究員は「S&Pの韓国の格上げの可能性で、ウォン高にベッティングした外国人の買い傾向が強まっている」とし「最近の外国人買いのターゲットは中小型株やディフェンシブ株より、大型株や景気敏感株に集中しているのは、韓国景気の回復を期待しているため」と指摘した。

韓国銀行(韓銀)がこの日発表した実質GNI増加率もこうした流れを後押しした。前期比2.9%増は、金融危機の影響で高い数値となった09年4-6月期(4.8%)以来の最高水準。実質GNIは韓国国民が国内、海外で稼いだ所得の実質購買力を表す指標。実質GNIの好調は、主に貿易条件が改善されたのが理由だ。韓銀のチョン・ヨンテク経済統計局長は「韓国が主に輸入する原材料の価格が安定した半面、主要輸出品である半導体・携帯電話などの価格は上がったため」と説明した。



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