４番目は人間の尊厳・指標の領域だ。学生・成人・老人の自殺、尊属殺人、低出産、産業災害、交通事故死亡、軍内事故・死亡、老人貧困率は全てＯＥＣＤ加盟国内で最悪レベルだ。もちろん公共支出や海外公的開発援助、所得や性不平等指標もやはりＯＥＣＤ内で最も悪い水準だ。教会と宣教師派遣の数も世界最高水準だが、同時に海外での売春・買春、児童売春もやはりそうである。出生から死去に至る人生のすべての段階で、韓国の集合的な人間指標は、適切な言葉を探すのが難しいほどぞっとするようなものだ。私たちの共同体には今、世界最高レベルの経済指標と技術指標、世界最悪レベルの人間尊厳・人間指標が並存する。人類史上このような共同体は、韓国がほとんど唯一だ。

５番目は、分断の片方である北朝鮮の飢餓と貧困、抑圧と独裁、閉鎖と軍事主義の問題だ。北朝鮮の現実は明らかに反普遍的・反文明的な時代錯誤であり、世界の流れに逆らっているのは間違いない。韓国が世界に見せているもう一つの人間惨状である。

互いに相反する韓国的な奇跡（Ｋｏｒｅａｎ ｍｉｒａｃｌｅ）と韓国的な災難（Ｋｏｒｅａｎ ｄｉｓａｓｔｅｒ）、韓国への希望（Ｋｏｒｅａｎ ｄｒｅａｍ）と韓国の羞恥（Ｋｏｒｅａｎ ｓｈａｍｅ）が、共存する韓国的な神秘（Ｋｏｒｅａｎ ｍｙｓｔｅｒｙ）と韓国的ななぞ（Ｋｏｒｅａｎ ｅｎｉｇｍａ）をどのように理解してつなげ、解決するだろうか？


明るさと暗さ、肯定と否定、日なたと陰は互いにつながっていて、後者はたびたび前者の産物である場合が多い。韓国の奇跡だけを自慢するには、韓国の災難の内容があまりにも残酷で、後者は実のところ前者の産物でもある。人間共同体のほとんどすべての問題は互いにつながっている。特に全体と部分、共同体と個人の関係がそうである。一つの人生は一つの社会の総体であり、一つの実存は一つの社会の表現である。私たちはもう人間の実存と尊厳に反する人間条件の発展を全面的に再考しなければならない状況に直面している。統合的な実存としての個人たちの人生は、分離不可能な全体的実体であるためだ。

パク・ミョンニム延世（ヨンセ）大学教授・ベルリン自由大学客員教授



【中央時評】５つの韓国（１檁