奇誠庸（キ・ソンヨン、２４、スウォンジーシティ）がサンダーランド行きを打診している。球団側も引き止めていない。

奇誠庸の側近は２３日、「サンダーランドへの１年レンタルを進めている。池東源（チ・ドンウォン、２２）がプレーしているチームで、サンダーランド側はレンタル料なく年俸（税金含め３０億ウォン）を支払うという立場だ。スウォンジーシティはある程度のレンタル料を望んでいる」と説明した。ミカエル・ラウドルップ監督（４９）は「どんなことが起こるが見よう」と淡々と話している。

奇誠庸の代理人は独ブンデスリーガなど他のリーグへのレンタルや完全移籍も打診している。しかし夏の移籍市場が来月１日に終わるため、時間は多くない。奇誠庸は昨年夏、約５５０万ポンドでセルティックからスウォンジーに移籍した。当時スウォンジー球団史上最高の移籍料だった。１年前に最も大きな期待を受けた奇誠庸が、なぜこうした立場になったのか。


◆ポジション争いで劣勢の奇誠庸＝スウォンジーシティは今季、ＭＦを大々的に補強した。リバプールのシェルヴェイ（２１）、カニャス（２６）、ポスエロ（２２）を迎えた。グズマン（２６）、ブリットン（３１）、ミチュ（２７）ら従来の選手も健在だ。

奇誠庸は２３日、ペトロルル（ルーマニア）とのヨーロッパリーグプレーオフ第１戦のエントリーから外れた。今季のヨーロッパリーグ３試合、プレミアリーグ１試合で先発出場はなく、交代で２試合の出場にとどまっている。

チャン・ジヒョンＳＢＳ解説委員は「ラウドルップ監督が今年、ＭＦを攻撃的に強化している。シェルヴェイがこうした戦術によく適応している」と分析した。現在スウォンジーシティのＭＦは奇誠庸が抜けても全く問題がないほど資源があふれている。

◆浮き沈み激しい１年＝奇誠庸は昨年夏ロンドンオリンピック（五輪）で銅メダルを獲得した。夢に見たイングランドプレミアリーグにも進出した。女優ハン・ヘジンと交際し、７月に結婚した。仕事でも恋愛でも“勝者”だった。

しかし不安要素もあった。チェ・ガンヒ前韓国代表監督との不和が続いていた。６月に行われたワールドカップ（Ｗ杯）最終予選第３戦からはメンバーから外れた。新婚の喜びを満喫すべき７月には、ソーシャルネットワークサービス（ＳＮＳ）で監督を批判していたことが世間に知られ、本人はもちろん、配偶者も精神的に苦労した。

新しく指揮棒を握った洪明甫（ホン・ミョンボ）代表チーム監督（４４）からは「サッカーでイエローカードの意味がどういうものかよく考えることを望む」という警告を受けた。結局、奇誠庸は頭を下げて謝罪文を発表した。

ラウドルップ監督と不和説も聞こえる。奇誠庸は昨季終盤、結婚の準備のために球団に早期帰国を要請し、信頼を失ったということだ。奇誠庸は３月に行われた代表チームの試合で、ハン・ヘジンのイニシャルが入ったサッカーシューズを履いて出場し、代表チームの雰囲気に良くない影響を及ぼしたこともある。このため奇誠庸が過去のように名声を得るには、サッカーに対する情熱と初心を取り戻し、謙虚になるべきだという指摘が出ている。

◆朴主永の去就も五里霧中=朴主永（パク・ジュヨン、２８、アーセナル）も試練を経験している。アーセナルからは放出通知を受け、戦力から除かれた状態だ。独ブンデスリーガー移籍を推進中だが、順調でない。９月１日までに新しいチームを探さなければならない。