韓国・北朝鮮が３年ぶりの離散家族対面行事に合意した。来月下旬、以前のように金剛山（クムガンサン）地域の離散家族面会所で会う。久々の行事開催で、喜ばしいことだ。北側と南側に親、兄弟姉妹、親せきがいながらも、会うどころか連絡さえもできない離散家族の心情を考えれば、この３年間は非常に残念な時期だった。これを契機に今後、政治的な状況のために離散家族の再会が中断されることがないことを強く望む。

今回、合意したが、南北当局は自省する必要がある。１１月にまた会うというが、高齢の離散家族が生前に一度だけでも別れた家族に会えるようにするには、今回合意した形では十分でないと知りながらも、いくつかの理由を挙げながら問題の解決に積極性を見せなかった。特に行政能力不足を理由にして消極的な北朝鮮当局に促す。離散家族の痛みを本当に理解しているのなら、もっと積極的に動くべきだ。

韓国当局も北朝鮮の行政能力不足を解消するために全面的な財政支援など必要なあらゆる措置が可能だという強い意志を明らかにし、行動で後押しする必要がある。今後、離散家族の対面は、より大規模に、随時行うべきだ。離散家族の対面だけは南北関係と韓半島情勢がいくら悪化しても中断しないという覚悟が必要だ。


離散家族の対面は人道的な措置だが、南北関係では難しい局面を緩和する契機になったりもした。いま南北関係は５年ほど冷え込んでいたムードが変わり始めている。これまで南北関係は最悪だったといっても過言ではない。金剛山（クムガンサン）観光客銃殺事件による観光の中断、韓国哨戒艦「天安」沈没、延坪島（ヨンピョンド）砲撃に続き、開城（ケソン）工業団地閉鎖危機まであった。核問題も大きく悪化した。

最近、開城工業団地再開の合意に続き、今回の離散家族対面合意をはじめ、南北関係が好循環の軌道に乗るよう導かなければならない。金剛山観光の再開も積極的に検討する必要がある。