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【噴水台】ベビーボックスに捨てられる乳児たち=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「母親が子どもを捨てるところがあるからと捨てますか? 子どもを捨てる時はそれだけの理由があります」。

ソウル・蘭谷洞(ナンゴクドン)主サラン共同体教会のイ・ジョンラク牧師は、「ベビーボックス」の話を切り出すや攻撃的に問い返した。この教会は韓国で唯一子どもを捨てることができる「ベビーボックス」を設置・運営している。私はただ入養特例法施行1年を迎え遺棄される乳児が増えたという話が出ているため取材のために電話したものだった。しかしイ牧師は警戒心を緩めなかった。

「このように豊かな時代に子どもを捨てることが依然として多いということが問題でしょう。ベビーボックスが遺棄を助長しますか。むしろ死に行く子どもたちを生かすための生命ボックスです。無責任に卑怯に隠れてののしるだけでなく、対策を立ててみろということです」。


彼は初対面でこのように鋭い反応をするほど疲れはてて見えた。彼は3年間にわたりベビーボックスを運営し「乳児遺棄を助長する」という非難に苦しめられ、政府と自治体から数回にわたり撤去の公文書を受け、一部団体の抗議訪問も受けたと話した。子どもたちが密かに捨てられる問題には目を背けていた人たちが、子どもたちが捨てられる現場が公開されるとそのゆがんだ現実の責任をベビーボックスのせいにするということだった。

「ベビーボックスには3年間で280人が入れられたが200人ほどがこの1年間に入れられました。入養特例法も一定部分の責任があるでしょう」。

イ牧師は入養特例法が「お腹が痛いからと湿布薬を塗るもの」と話した。この法律は子どもを産んだ両親が子どもの出生届けを出すことで養子縁組ができるようにするものだ。養子に出された子どもの権利を保護し、出自を探せるようにしようとの趣旨だ。しかし捨てられる子どもの大部分が未婚の母から生まれ、彼女らは子どもの出生自体を隠そうとするため、いっそ痕跡を残さないためにこっそりと捨てるということだった。

「出生届けなく捨てられるベビーボックスの子どもたちはこの法律のために最初から養子に出される道がふさがれました」。

気になる。子どもたちが捨てられる理由は法律とベビーボックスのためなのか。一部では堕胎が難しくなり、性風俗が乱れたことに理由を求めたりもする。これは子どもが間違って生まれて捨てられるということか?しかしだれが生命をめぐって誕生の善し悪しを判断し、生命の尊厳性に疑問を提起できるのか。それでも未婚の母とその子どもに対する冷ややかな視線、不遇な母親と子どもを保護できない社会、そして未婚の母が子どもを育てる意欲を出せない環境は根強い。子どもたちが捨てられる理由はこうした社会環境のためではないのか。それなら子どもを捨てたのは母親なのか韓国社会なのか?乳児遺棄を嘆く前に尊厳ある生命をめぐり「誤った誕生」と烙印を押す意識から変えなければならないのはでないか。考えが変われば制度も、彼らをめぐる環境も変わるからだ。

ヤン・ソンヒ論説委員





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