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【コラム】金正恩にとってサムスンの携帯電話が恨めしい理由(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
19世紀末に発明された機関銃は民衆抗争の本質を変えた。あっという間に数百発を撃つ鎮圧軍と、棒やつるはし、良くて猟銃で武装した民衆との暴力の格差があまりに大きくなったのだ。軍部の変心や外勢の助けなくしてデモ隊が政府を転覆させるのは不可能だった。憤怒したパリ市民が腐敗したルイ16世政権を格好良くひっくり返した革命の時代は終焉を告げたわけだ。

21世紀のテクノロジーはもう一度民衆抗争を変化させる。昨年訪韓したロス米国務省首席補佐官はこの時代の民衆抗争の特徴をこのように説明した。「過去とは違いリーダーがいなくても大規模暴力デモが可能だ」。まさにインターネットとフェイスブックやツイッターのようなソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の力だ。だれでも決起を叫び、いつ、どこで会おうと提案することができる。ここに多数が同調すればそれで終わりだ。2010年12月にチュニジアで始まった反独裁デモがアルジェリア、エジプトなどに広がった「アラブの春」がまさにそうだった。

アラブの春を引き出したSNSはこのところモバイルが大勢だ。フェイスブックにPCの代わりに携帯電話やタブレットで接続する比率は世界的に71%に達する。


韓国の世界的ヒット作である携帯電話。中東だからと人気がないはずはない。サムスンのこの地域でのシェアは44%、LGまで合わせると中東人の半分以上が韓国製携帯電話を使っている。中東の反独裁闘士が韓国製携帯電話の性能に後押しされ戦っているという話だ。

携帯電話がリーダーの代わりをすれば独裁政権はさらに難しくなる。昔ならば弾圧でも、懐柔でも、デモ主謀者さえうまく統制すれば民衆抗争を防げたがいまは不可能になったためだ。

15日以降800人以上の犠牲者を出したエジプトの流血事態が最悪に進んでいる。シリアとイラクの不安もますます深刻だ。このような中東事態は韓国に何を意味するのか。せいぜい原油価格が少し上がる対岸の火事なのか。決してそうではない。昨今の韓国外交で切実な米国の力を中東が吸い込んでいるためだ。

このところ米国外交の関心はすべて中東に傾いている感じだ。2011年にオバマ大統領が明らかにした「アジアへの中心軸移動宣言」が色あせるほどだ。アジア無視はケリー国務長官の行動にも表われている。2月に就任したケリー長官はこれまで12回海外を訪問した。そのうち東アジアを訪れたのは4月のただ一度だけ。しかし中東には6回も行った。ケリー長官の中東偏向には米国メディアも批判的だ。「慢性的なイスラエル・パレスチナ問題にしがみつき重要なアジアを避けている」という非難があふれる。その上オバマ大統領の最側近参謀であるライス補佐官(国家安全保障担当)はジャマイカ系黒人でアフリカ専門家だ。ワシントンでは「ライス補佐官はアジアより中東だけでなくアフリカまで重視している」という話が出回っている。



【コラム】金正恩にとってサムスンの携帯電話が恨めしい理由(2)

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