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予算の壁で明暗分かれた韓国次期戦闘機事業

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
次世代戦闘機(F-X)導入事業は結局価格が変数だった。60機余りの戦闘機を導入するF-X事業は8兆3000億ウォンの予算が投じられる超大型国策事業だ。昨年1月の公式事業計画発表後、米ボーイング(F-15SE)とロッキード・マーティン(F-35A)、EADS(ユーロファイター)は死活をかけて19カ月間のレースを行った。ボーイングはサウジアラビアにF-15を販売することにしたが韓国で受注できない場合には事実上生産ラインが中断される危機にあった。またEADSもF-X事業に参加したスペイン工場の物量が底を突く状況だった。ロッキード・マーティンはコーエン元米国防長官を立てて国防部の金寛鎮(キム・グァンジン)長官と会談するなど機種選定に向けた総力戦に出た。世界経済危機で当初購入することにしていた国々が兵器導入を取り消したり量を縮小している状況のため、韓国市場は生産ラインの延命でありニッチ市場だった計算だ。

昨年までステルス機能が長所に挙げられるF-35Aが有力だった。韓国空軍が最新鋭機種を望んだためだ。また、周辺国の牽制ときめ細かい北朝鮮の防空網を突破するためにはステルス機能が優秀なF-35Aが適合するという評価が多かった。F-35Aの場合、米国政府レベルで開発を主導し、今回の事業でも政府間取り引き(FMS)方式で推進してきただけに、韓国政府が米国の「圧力」を拒否できないだろうといううわさまで広がった。一時は最有力機種に選ばれた。昨年の大統領選挙を控え政治論争まで引き起こした。ついに朴槿恵(パク・クネ)候補をはじめと政界から「莫大な費用がかかる事業を政権末期に確定するのは問題だ」と指摘され、昨年10月に決めようとしていた機種選定が10カ月以上先送りされた。

この過程で防衛事業庁など政府が公正性と透明性を強調しながら当初機種選定条件に掲げたステルス条件を削除した。ステルスを条件に掲げる場合、F-35Aだけが適合機種に入るため競争入札が難しいという理由からだ。これに企画財政部は当初編成された8兆3000億ウォンを超過する場合には事業を中断するほかないという姿勢を明らかにした。いくら航空機性能が優秀でも韓国の経済状況から、編成された予算を1ウォンでも超過することはできないという立場だった。


このように条件と環境が変わりながら反転が起きた。EADSは操縦席2席の複座機15機を含まなければならないという韓国側の要求にもかかわらず、「複座機は単座機に比べ価格が高く、韓国政府が提示した予算範囲に合わせるためには複座機は6機だけ可能だ」という立場を見せた。事業費に合わせるため条件を任意に調整し、機種選定候補から最終脱落した。このような経緯から、開発されてから最も古くなった航空機という評価を受け最低点数を取るだろうとみられていたボーイングのF-15SEが終盤で逆転に成功した。ボーイング関係者は「F-15が開発され30年が過ぎたのは正しいが、韓国が導入するF-15SEは何度もアップグレードしたもので、最新レーダーを搭載するなど、どの戦闘機と比べても引けを取らない」と話した。

F-X機種でF-15SEが最終決定される場合、韓国は米国との防衛産業協力と連合作戦が容易になる見通しだ。また、現在F-15Kを60機運用しており、操縦士教育や互換・整備などに相当な長所もある。しかしボーイングもやはり当初修正することにしていた尾翼部分をそのままにするなど「価格ダイエット」をしたことがわかった。

防衛事業庁は昨年実施した性能評価と入札を基に1~3位まで順位を決めた後、来月に防衛事業推進委員会を開いて最終機種を決める方針だ。



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