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【コラム】「猛暑ゾンビ」が出没する韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
額やあごの下から汗が噴き出る。暑さが息の根を締め付けてくる。今はガールズグループCrayon Pop(クレヨンポップ)の『パパパ』のメロディーや「直列5気筒ダンス」も、うっとおしいぐらいだ。それでも私たちは耐え抜くことで生き残るだろう。どうせこれが初めてというわけでもないではないか。不屈の愛国心と精神力で対抗する危機は。

よって「電力大乱との戦争」が宣言されたのは日曜日(11日)だった。尹相直(ユン・サンジク)産業通商資源部長官は、韓国電力本社状況室で緊急対策会議を終えた後に記者会見をした。尹長官は「発電機1基だけ故障しても循環停電をしなければならないような非常に危険な状況」としながら「国が難しい時、いつも政府を信じて助けてくださったように、もう一度国民の皆様の力を集めてほしい」と訴えた。

そうして「恐怖の月・火・水」は始まった。全国で約2万カ所の公共機関のエアコン電源スイッチが一斉におとされた。公務員たちは暗室の中で、コンピュータモニターに向かい生気のない目を開け、風の通る場所を探して暗い廊下をよろよろと歩く。大企業も電力危機克服のための電気節約キャンペーンに参加して生産支障に耐えている。会社員のワイシャツは汗にまみれて久しい。


ソーシャルネットワークサービス(SNS)もやはり雪国列車でない「熱国列車」だ。「熱くて目が痛くて仕事にならない」という呼びかけや「暑さに疲れて言葉を忘れたゾンビ」「人権じゅうりん」といった自嘲があふれる。「冷房欲求を刺激するエアコン広告を制限しよう」という冷笑で熱気を冷ます。今や国家が身体をこえて精神まで統制するという状況だ。

それなら公務員と会社員をあっという間に「猛暑ゾンビ」にした「今夏最大の電力危機」(尹長官)はどこから始まったものなのか。最も大きな責任は、電力需要の変化をまともに予測できなかった韓国政府自体にある。2006年末に政府は2012年の最大需要が6712万キロワットだと推定したが、実際には7429万キロワットだった。

この11%の計算錯誤をブラックアウト(大規模停電)危機に悪化させた主犯は、原子力発電所の非道だ。部品試験成績書の偽造事実が明るみになり新古里(シンゴリ)1、2号機など原子力発電所3基が停止した状態だ。これら原子力発電所だけでも稼動して300万キロワットの電力を生産したとすれば、私たちは不安におびえずとも良かっただろう。



【コラム】「猛暑ゾンビ」が出没する韓国(2)

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