長い梅雨が明けたかと思うとすぐに猛暑が訪れた。この暑さにどうにか耐えてみようと思うが、本当に耐え難いのは電力危機への不安感だ。政府があらゆる節電対策を動員して備えるというが、蒸し暑さが続けば予期せず電力需要が急増する可能性が今なお残っている。万に一つでも2011年9月15日に起きたブラックアウト状況が予告なく発生でもすれば、それこそ国家的な災難に違いない。
天候によって電力需給に対する悲喜が交錯する昨今の韓国電気事情を見ると、天水田(地形事情などにより雨水だけに頼っている水田)で農作業をする農夫の心情が理解できる。天水田はひたすら空から降ってくる雨水に依存して米作りをする田んぼだ。田植えの季節に十分な雨が降らなければ適時に田植えができず、苗を遅く植えれば収穫が遅れるほかはない。韓国の夏の電力需給状況がまさにそんな姿だ。今回の梅雨で雨の被害にあった方々には申し訳ないことだが、梅雨が長くなったために(おかげで)、今まで何とか電力大乱の危機を克服してきたということだ。もう梅雨は明けて猛暑が始まったので、これ以上、空の助けを望むわけにはいかないし、今後の電力危機を防ぐのは人の手にゆだねられた。
韓国の産業通商資源部は、電力需要がピークになる今週の電力需要を7870万キロワットと予測した。ところが現在稼動できる発電機を総動員しても電力供給量は7767万キロワットに過ぎないという。何らかの手を使わなければ電力が103万キロワット不足することになる。そのままにして置けばブラックアウトが避けられない危機的状況だということだ。もちろん政府がこの有り様になるまで手離しでいたのではないだろう。 電力供給能力を最大限引き上げて、大々的な節電運動で需要を最大限抑制するという対策を用意した。しかし電力供給を増やすには限界がある。結局、電力危機を防ぐ対策は、需要を減らすことに集中している。
すでに公共機関や大型建物の冷房温度を制限して開門冷房取り締まりと大々的な節電キャンペーンを行うなど可能な需要管理対策は総動員している。最後の対策は電気を多く使う企業2637社に対して一日4時間ずつ電力消費を15%ずつ減らすようにすることだ。言葉が計画節電であるだけに事実上、強制節電と同じだ。ブラックアウトを防ぐために企業の生産減少と節電補償費の支給という高い代価を払っている。
こうした需要管理対策で今年の夏の電力危機を無事にやり過ごしても、そのうち冬になれば再び電力危機が訪れる。電力供給能力は短期間で画期的に増やすことはできない一方、電力需要はますます増えているためだ。このような電力需給の構造的不一致を解消しない限り、毎年ふくらむ電力危機は避けられない。
構造的な電力需給不一致の背景には、長期間わい曲された電力料金体系がある。原価を下回る値段の安い電気料金体系が続いたせいで電力需要は毎年急増した一方、電力供給は停滞しながら電力需給のバランスが崩れてしまったのだ。供給能力が充分だった時期には、値段の安い電気料金に触発された電力需要増加が電力危機まで飛び火することはなかった。ただ韓国電力の赤字が大きくなっただけだった。問題はこういう異常な価格構造が長期間持続しながら供給能力まで制約するに至ったという点だ。電力危機は、値段の安い電気料金体系が呼び起こした当然の帰結だっただけのことだ。
【コラム】電力危機、電気料金の“現実化”が解決法=韓国(2)
天候によって電力需給に対する悲喜が交錯する昨今の韓国電気事情を見ると、天水田(地形事情などにより雨水だけに頼っている水田)で農作業をする農夫の心情が理解できる。天水田はひたすら空から降ってくる雨水に依存して米作りをする田んぼだ。田植えの季節に十分な雨が降らなければ適時に田植えができず、苗を遅く植えれば収穫が遅れるほかはない。韓国の夏の電力需給状況がまさにそんな姿だ。今回の梅雨で雨の被害にあった方々には申し訳ないことだが、梅雨が長くなったために(おかげで)、今まで何とか電力大乱の危機を克服してきたということだ。もう梅雨は明けて猛暑が始まったので、これ以上、空の助けを望むわけにはいかないし、今後の電力危機を防ぐのは人の手にゆだねられた。
韓国の産業通商資源部は、電力需要がピークになる今週の電力需要を7870万キロワットと予測した。ところが現在稼動できる発電機を総動員しても電力供給量は7767万キロワットに過ぎないという。何らかの手を使わなければ電力が103万キロワット不足することになる。そのままにして置けばブラックアウトが避けられない危機的状況だということだ。もちろん政府がこの有り様になるまで手離しでいたのではないだろう。 電力供給能力を最大限引き上げて、大々的な節電運動で需要を最大限抑制するという対策を用意した。しかし電力供給を増やすには限界がある。結局、電力危機を防ぐ対策は、需要を減らすことに集中している。
すでに公共機関や大型建物の冷房温度を制限して開門冷房取り締まりと大々的な節電キャンペーンを行うなど可能な需要管理対策は総動員している。最後の対策は電気を多く使う企業2637社に対して一日4時間ずつ電力消費を15%ずつ減らすようにすることだ。言葉が計画節電であるだけに事実上、強制節電と同じだ。ブラックアウトを防ぐために企業の生産減少と節電補償費の支給という高い代価を払っている。
こうした需要管理対策で今年の夏の電力危機を無事にやり過ごしても、そのうち冬になれば再び電力危機が訪れる。電力供給能力は短期間で画期的に増やすことはできない一方、電力需要はますます増えているためだ。このような電力需給の構造的不一致を解消しない限り、毎年ふくらむ電力危機は避けられない。
構造的な電力需給不一致の背景には、長期間わい曲された電力料金体系がある。原価を下回る値段の安い電気料金体系が続いたせいで電力需要は毎年急増した一方、電力供給は停滞しながら電力需給のバランスが崩れてしまったのだ。供給能力が充分だった時期には、値段の安い電気料金に触発された電力需要増加が電力危機まで飛び火することはなかった。ただ韓国電力の赤字が大きくなっただけだった。問題はこういう異常な価格構造が長期間持続しながら供給能力まで制約するに至ったという点だ。電力危機は、値段の安い電気料金体系が呼び起こした当然の帰結だっただけのことだ。
【コラム】電力危機、電気料金の“現実化”が解決法=韓国(2)
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