物価安定は韓国銀行の金科玉条だ。韓国銀行法第1条1項が「物価安定を図る」だ。ところが韓国銀行が物価見通しを間違ってしたならば? 間違った物価見通しを持って物価を安定させることはできない。突拍子もないところに矢を飛ばしながら標的に命中するよう願うのも同然のためだ。
韓国銀行は11日の経済見通しで、今年の消費者物価上昇率見通しを4月の2.3%から1.7%に大幅に下げた。韓国銀行の説明は、「農産物と国際原材料価格下落などで物価上昇圧力が縮小されたため」だ。消費者物価が8カ月連続で1%台の上昇にとどまっていることを考慮すれば韓国銀行の修正は遅れたが正しい判断といえる。
しかしひとつ確かめておきたいことがある。韓国銀行の姿勢だ。見通しは間違えることがある。だが、見通しを間違えることがあるならば他の意見も傾聴することを知らなければならない。4月に戻ってみよう。韓国銀行は当時「金利を少しでも下げ経済に温もりが回るようにしてほしい」という市中の呼び掛けを一蹴し金利を据え置いた。その時掲げた論理がインフレへの懸念だった。韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は、「金利決定の際に中央銀行が最初に見るのがインフレだ。下半期にはほぼ3%まで進むだろう」と強調した。
市場は耳を疑った。当時も消費者物価上昇は5カ月連続1%台で、10カ月連続で韓国銀行の物価安定目標(2.5~3.5%)の下限ラインに満たなくなっていた。「世界経済不振から物価は当分心配すべきでない」という指摘が多かったが、韓国銀行は耳を傾けなかった。かえって基底効果を主張した。昨年下半期の物価が低かっただけに今年下半期には上がるという論理だった。当時の大言壮語が鼻白んだのだろうか。金総裁は今度は「(経済見通し)モデル自体が完ぺきでなかったという側面があるだろうが、対外環境がわれわれの予想より大きな違いが生じた」と退いた。韓国銀行は公式に「物価モデルに改善する点がないか調べる」と話した。
韓国銀行はだれがなんと言っても最高の調査機関だ。庶民でも大企業でも韓国銀行の見通しを信じ暮らしの計画を立てる。ところが1年の半分が過ぎたいまになってモデルうんぬんとは。果たして韓国銀行の能力を信じてもいいのか。
イ・サンリョル経済部門記者
韓国銀行は11日の経済見通しで、今年の消費者物価上昇率見通しを4月の2.3%から1.7%に大幅に下げた。韓国銀行の説明は、「農産物と国際原材料価格下落などで物価上昇圧力が縮小されたため」だ。消費者物価が8カ月連続で1%台の上昇にとどまっていることを考慮すれば韓国銀行の修正は遅れたが正しい判断といえる。
しかしひとつ確かめておきたいことがある。韓国銀行の姿勢だ。見通しは間違えることがある。だが、見通しを間違えることがあるならば他の意見も傾聴することを知らなければならない。4月に戻ってみよう。韓国銀行は当時「金利を少しでも下げ経済に温もりが回るようにしてほしい」という市中の呼び掛けを一蹴し金利を据え置いた。その時掲げた論理がインフレへの懸念だった。韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は、「金利決定の際に中央銀行が最初に見るのがインフレだ。下半期にはほぼ3%まで進むだろう」と強調した。
市場は耳を疑った。当時も消費者物価上昇は5カ月連続1%台で、10カ月連続で韓国銀行の物価安定目標(2.5~3.5%)の下限ラインに満たなくなっていた。「世界経済不振から物価は当分心配すべきでない」という指摘が多かったが、韓国銀行は耳を傾けなかった。かえって基底効果を主張した。昨年下半期の物価が低かっただけに今年下半期には上がるという論理だった。当時の大言壮語が鼻白んだのだろうか。金総裁は今度は「(経済見通し)モデル自体が完ぺきでなかったという側面があるだろうが、対外環境がわれわれの予想より大きな違いが生じた」と退いた。韓国銀行は公式に「物価モデルに改善する点がないか調べる」と話した。
韓国銀行はだれがなんと言っても最高の調査機関だ。庶民でも大企業でも韓国銀行の見通しを信じ暮らしの計画を立てる。ところが1年の半分が過ぎたいまになってモデルうんぬんとは。果たして韓国銀行の能力を信じてもいいのか。
イ・サンリョル経済部門記者
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