朴槿恵（パク・クネ）大統領が先週、報道機関の論説室長昼食懇談会でアシアナ事故に関連したチャンネルＡのキャスター失言について２回も取りあげ論じた。質問がないのに先に言い出した。「両国の良い感情が冷めた」と心配して「体より心に与える傷のほうがさらに長く続く」とした。一見すると、中国の傷ついた感情をいたわる遺憾の意があふれ出ている。だが、大統領が決心したように２回も同じ発言を口にしたことは格別な意味を持っている。北朝鮮を意識した高度な対中メッセージに違いないのだ。

中国の対北朝鮮の見解が、変曲点を迎えている。変化の兆候は第３次核実験以降より一層明確だ。北朝鮮が戦略的な資産から戦略的負担に移ったのかはまだ曖昧だ。だが流れ自体はその方向性を戻しにくい分岐点を越えた感じだ。伝統的に北朝鮮は、中国の党元老や引退した軍将軍を手厚くもてなしてきた。何度も招いては心を動かすような贈り物をおくった。中国指導部に大きな影響を及ぼした彼らは“共倒れ”の答礼をした。政策シンクタンクである社会科学院も金日成大学の留学生出身が掌握している。北朝鮮に寛容にならざるをえなかった。

こうした雰囲気は習近平時代を迎えて急変している。党や軍元老の影響力は以前と同じではない。西側諸国に留学した北京大・精華大の教授も声を高めている。彼らは国際情勢を冷静に見ている。私席で“韓国主導の統一”というタブーな言葉まで自由に口にする。ウェイボ（微博＝中国版ツイッター）など中国のオンラインも親韓・反北朝鮮が大勢だ。北朝鮮・中国間の上部構造が揺らいでいるのだ。


さらに注視する大きな課題は下部構造だ。延坪島（ヨンピョンド）砲撃と北朝鮮の核実験直後、中国が最も神経を尖らせたのは別のところにあった。「水面下で、私たちの電子部品の輸出に支障がないかどうか緊急に打診してきた」というのがサムスン電子とＬＧ電子の高位関係者たちの共通した証言だ。中国経済が韓国と切っても切れない現実にあることを反映している。修交以後、韓国産の半導体は１００６億ドル分が中国に行った。韓国産ＬＣＤも８９８億ドル分が輸出された。これに力づけられて“中国産＝安もの”というのは昔話になった。この２年間、中国が米国に売った衣類・靴類は４７０億ドルにとどまった。一方、１２９０億ドル分の電子・自動車・光学装備を米国に輸出した。



【コラム】韓中の経済交流で窮地に追い込まれた北朝鮮（２）