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朴大統領が震怒「暴言でなく呪い…野党の大統領選不服に終止符を打つ」

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版

朴槿恵大統領が11日、青瓦台で開かれた貿易投資振興会議で発言している。[青瓦台写真記者団]

朴槿恵(パク・クネ)大統領が震怒した。朴大統領は洪翼杓(ホン・イクピョ)前民主党院内報道官の「鬼胎」発言が出た11日午後、参謀陣に自分の立場を述べたと、与党関係者が伝えた。「襟度を越えた」「画竜点睛」など不満を表す言葉が出てきたという。

洪前院内報道官は11日の国会ブリーフィングで、『岸信介と朴正煕』とう本の内容を引用し、「この本に“鬼胎”という表現が出てくる。当時、満州国の鬼胎の朴正煕(パク・ジョンヒ)と岸信介がいたが、皮肉にも鬼胎の子孫が韓国(朴大統領)と日本(岸信介の孫の安倍晋三首相)のトップにいる」と述べた。

匿名を求めた与党消息筋は「洪前院内報道官の発言は単なる暴言ではなく、昨年の大統領選の結果と韓国の正統性を否認し、朴正煕元大統領と自分を呪う、度を超えた発言だと、朴大統領は認識している」と伝えた。


朴大統領は特に、洪議員が院内報道官の資格で公式ブリーフィングでこうした発言をした点を重視したという。議員個人ではなく民主党の立場ではないかという判断からだ。セヌリ党の尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)院内首席副代表も「朴大統領は強い怒りを感じたはず」と述べた。

朴大統領は洪前院内報道官のツイッターの内容にも不満を抱いていたという。洪議員はブリーフィング前日の10日、ツイッターに「第18代大統領選挙の結果は、国家情報院党とセヌリ院の合作」とし「機会は不公平で、過程はさらに不公正で、その結果は全く正しくないことが確認された」とコメントした。

4月22日には「第18代大統領選挙の結果は無効だ。父伝女伝(父が娘に譲る)だ」とし「朴正煕は軍隊を利用して大統領職を簒奪し、その娘の朴槿恵は国家情報院と警察組織を利用して事実上、大統領職を盗んだ」と主張した。

洪前報道官の発言は、大統領選挙後に民主党が提起してきた「大統領選不服」が行き着くところまで行ったというのが朴大統領の認識だと、与党関係者は話している。

民主党は昨年の大統領選挙直後、一部の在野団体から出た「票の再チェック」主張にあいまいな姿を見せた。また7日、民主党光州市党報告大会で林来玄(イム・ネヒョン)議員が「(大統領)選挙源泉無効闘争が提起されることもある」と主張し、その後「弾劾」「下野」などの言葉が民主党報告大会で相次いで出てきた。

続いて民主党の大統領候補だった文在寅(ムン・ジェイン)議員が9日、釜山市党党務委員会で「国家情報院の大統領選挙介入と対話録の違法流出で大統領選は非常に不公正に行われ、その恩恵を朴大統領が受けた」と直撃弾を飛ばした。その2日後に洪前院内報道官の発言が出てくると、朴大統領は民主党大統領選挙不服シリーズの“画竜点睛”という認識の下、強硬対応に出たということだ。

朴大統領が民主党の大統領選挙不服にアレルギー反応を見せたのは、競争に対する本人の哲学も作用したと、与党関係者は伝えた。朴大統領は07年のハンナラ党党内選挙で李明博(イ・ミョンバク)候補に敗れると、直ちに承服を宣言した。多くの側近が「世論調査方式に問題があった」として不服を主張したが、朴大統領は「潔く承服する。過ぎたことはすべて忘れよう」と演説した後、李明博候補を支援した。

青瓦台の一部は「洪議員の院内報道官辞任で済むことではない」と述べ、▼洪前院内報道官の議員辞職▼キム・ハンギル民主党代表の謝罪▼民主党レベルの大統領選挙結果承服宣言--などを要求する声が出てきた。

こうした要求が朴大統領の意中かどうかは確認されていない。しかし少なくとも今回の事件をきっかけに民主党の「大統領選挙不服」の動きに確実に終止符を打ち、民生・安保中心に政治が復元されるべきだと朴大統領は考えていると、与党関係者は伝えた。

民主党内の「大統領選不服勢力」は親盧勢力と旧主流に集中している。青瓦台が民主党に「大統領選承服」を要求する背景には、文議員をはじめとする親盧・旧主流勢力と党指導部を分離させ、国家情報院大統領選介入疑惑による正統性の是非を一掃し、政局主導権を維持していくための布石だという分析が出ている。

与党の一部からは、今回の発言による波紋を民主党と統合進歩党勢力の連帯と結びつける主張も出てきた。結局、民主党指導部がこうした連帯を断ち切るべきだということだ。

与党のある関係者は「李正姫(イ・ジョンヒ)前代表が昨年の総選挙で、ソウル城東乙の野党単一候補として出馬した洪前院内報道官の遊説支援演説をし、“宝石のような人”と称賛するなど、2人が近い関係であることを知っている」とし「朴正煕元大統領を『高木正雄』と非難した李前代表の発言と朴元大統領を『満州国の鬼胎』と表現した洪前院内報道官の発言が似ていることに注目しなければならない」と話した。

しかし青瓦台は李貞鉉(イ・ジョンヒョン)広報首席秘書官が11、12日に記者会見を開き、民主党をより強力に批判したのを最後に「鬼胎」言及を中断し、セヌリ党にボールを渡した。

セヌリ党は13日、民主党との院内代表団会談で国会正常化に合意した。洪前院内報道官を倫理特別委に提訴するラインで“鬼胎”政局を収拾したのだ。洪前院内報道官の南北首脳会談会議録閲覧委員資格も維持することにした。鬼胎政局を長引かせる場合、世論の逆風を受けるという懸念のためだ。

親朴系の尹相ヒョン(ユン・サンヒョン)院内首席副代表は13日、中央SUNDAYとの電話で、「与党の責務を考えると、鬼胎政局は今週末を超えてはならないと判断した。特に13日が最後の機会である公共医療国政調査を空転させる場合、党に返ってくる負担感が大きかった」と説明した。

党の一部では、青瓦台の強硬姿勢に制約を加える姿も出てきた。黄祐呂(ファン・ウヨ)代表秘書室長の余尚奎(ヨ・サンギュ)議員は「12日の緊急最高委員会議で民主党の謝罪を受け、洪院内報道官が辞退するラインで、鬼胎政局を終えるべきだという話が出た。われわれが黙っていれば民主党が非難を受けることになるが、青瓦台が李貞鉉首席秘書官まで出てきて激しく話すのはよくないという懸念も出てきた」と述べた。

青瓦台の関係者もこの日、与野党が合意を発表した直後、「これ以上明らかにする立場はない」と述べ、異議を提起する考えがないことを示唆した。与野党が国会正常化に合意した中、青瓦台が問題を提起し続ける場合、朴大統領が逆風に受けることを懸念したためとみられる。

しかし青瓦台の一部ではセヌリ党が性急に合意したという不満の声も出ている。今後、民主党内で大統領選非公正性や朴槿恵政権の正統性を問題にする発言が再発する場合、青瓦台が反発する可能性は残っているという観測が出る理由だ。

ドゥムン政治戦略研究所のイ・チョルヒ代表は「『言うべきことは言う』という朴大統領のスタイルが作動したケースで、民主党の迅速な謝罪を引き出すことで青瓦台はよくやったと評価できる」とし「しかし民主党で大統領選不服を主張する勢力はごく少数にすぎない。与党が国家情報院政治介入疑惑など不利な問題をずっと“大統領選不服”フレームで伏せようとすれば逆風を迎えることになるだろう」と指摘した。イ代表は「キム・ハンギル代表も今回の事件を契機に、党にプラスにならない突出行動をする勢力を抑制し、党内の指導力を回復するべきだ」と提言した。(中央SUNDAY第331号)



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