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韓国近海に毒性クラゲ大量発生、昨年の20倍増加

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓半島南側の海で毒性クラゲの数が大きく増えたことが確認された。これらクラゲは暖かい海流に乗り西海(ソヘ、黄海)と南海に広がっているところだ。これに伴い本格的なバカンスシーズンを控え、南海と西海ではクラゲパニックとなりそうだ。

海洋水産部と全羅南道(チョンラナムド)が15日に明らかにしたところによると、国立水産科学院は12日に全羅南道新安(シンアン)の大黒山島(テフクサンド)近海で、100メートル四方当たりのエチゼンクラゲの数が昨年に比べ400倍に増えたのを確認した。昨年韓半島近海で100メートル四方で平均2匹ずつが見つかったエチゼンクラゲは、現在大黒山島近海では同じ面積で800匹が見つかるということだ。水産科学院のユン・ウォンドゥク博士は、「一部海域だけ調査したものなので、クラゲ全体が昨年の数百倍になったと断定するのは難しい。しかし最近中国の海でもクラゲが大きく増えた点から、昨年より20倍程度は増加している可能性が高い」と話した。

水産科学院は5月に上海近海などで1次調査を行い、すでにクラゲ密度が昨年同期の23倍に増えたことを確認している。全羅南道のチェ・カプジュン水産資源課長は、「最近クラゲの幼生を食べるサバやカワハギの数が急減しクラゲが急増したようだ」と分析した。水産科学院側は韓半島海域にクラゲがどれだけ広がっているのか正確に把握するため、17日に南海岸と西海岸一帯に対する精密航空調査を実施する計画だ。


エチゼンクラゲの群れは海の生物を片っ端から食べ尽くし生態系を破壊するだけでなく、避暑客を刺し人命事故を起こしたりもする。昨年8月10日には仁川(インチョン)の乙旺里(ウルワンリ)海水浴場で8歳の女児がこのクラゲに刺されて死亡した。水産科学院は南・西海岸の海水浴場に避暑客の安全のために網をかけることを求めた。釜山(プサン)・海雲台(ヘウンデ)海水浴場はクラゲが入ってこられないよう現在1.4キロメートルにわたって網を設置中だ。

エチゼンクラゲは漁業にも莫大な被害を与える。魚のえさであるプランクトンを根こそぎ食べるためだ。昨年も全羅南道木浦(モクポ)と新安などで相当数の漁民がクラゲによって操業を断念するほどだった。特にプランクトンを食べて育つエビの被害が大きかった。

今年はクラゲの数が大きく増えるという警報に漁民と自治体、水産当局はさらに緊張している。だが、これといった対策がなくやきもきしているのが実情だ。現在最も有力な対応策は漁船の後にクラゲ粉砕機を付着することだ。こうすると海底深くに仕掛けた網で魚を獲りながら同時に表面に浮いているクラゲを処理することができる。しかし粉砕機は1台当たり2000万ウォンで、漁民はこれを備える意欲を出せずにいる。広域地方自治体が郡ごとにひとつずつ普及させクラゲ防除をすると言っているが、この数では広い海にいるクラゲのごく一部だけを処理できる程度だ。

暖かい水に生息するエチゼンクラゲは2000年代初めまで韓国近海では見られなかった。温暖化で海水の温度が上がり、2003年に姿を見せ始めた。天敵が消えたのもエチゼンクラゲが個体数を増やした主要因だ。1980年代に入りカワハギの干物の消費が増え、エチゼンクラゲの天敵であるカワハギは韓国の海からほとんど姿を消している。2000年に入ってからはクラゲ発生海域である中国でもカワハギが姿を消し、エチゼンクラゲはさらに猛威を振るうことになった。中国でカワハギが消えたのは乱獲と汚染が拡大した結果と専門家らは分析している。

エチゼンクラゲは毎年上海周辺海域で発生し、海流に乗って夏に韓半島の海岸に到達する。北上する過程で直径最大2メートル、重さ150キログラムまで育ち毒性が強くなる。12日に大黒山島近海で発見されたエチゼンクラゲは直径30~50センチメートルで、まだ育っているところだった。





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