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【社説】弾み付いた韓中FTA、対内交渉も緻密にしなくては

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領と習近平中国国家主席が「実質的な自由化と幅広い範囲を包括する高い水準の韓中自由貿易協定(FTA)締結を目標にする」と合意したことは意味深いことだ。これまで退任を控えた李明博(イ・ミョンバク)前大統領と胡錦涛前国家主席は両国の経済地形をひっくり返すFTA協議に乗り出す動力が弱かった。だが、新たな任期を始めた両国首脳がFTA交渉に力を入れることにし強力なモメンタムが確保された。幸いなことだ。

一般的に「高い水準のFTA」は関税廃止品目の割合が90%を超える時を指す。すでに締結した欧州連合(EU)とのFTAの開放度は99.6%になり、韓米FTAの関税廃止率も98%に達する。したがって「高い水準」という表現自体に前もっておびえる必要はない。韓中両国が敏感品目を例外としても関税廃止率90%を超えるのは不可能なことではないだろう。

今回の合意で実務交渉から弾みがつく雰囲気だ。産業通商資源部の尹相直(ユン・サンジク)長官は、「(大きな枠組みを定める)1段階交渉は8~9月ごろに終えられるだろう」と予想した。交渉チーム関係者も、「朴大統領の訪中を契機に意見の相違が非常に狭まっており、1段階交渉は“ランディングゾーン”(交渉妥結地点)に差し掛かっている」と明らかにした。過去5回の交渉で両国首脳部が具体的なマンデート(交渉指針)を下さずFTA交渉が空回りしたのと対照的だ。


韓国と中国は経済的に切っても切れない関係だ。韓国の貿易で中国が占める割合は20%を超え、中国の立場でも韓国は4位の貿易相手国だ。もし韓中日FTAが締結されれば世界の国内総生産の19.6%、輸出入の18%を占める北東アジアが域内経済統合することになる。ここに中国は内需拡大にまい進しながら世界の工場から世界の市場に変わっている。中国が農産物輸出国から輸入国になるのも注視すべき変化だ。韓国が低成長から抜け出し新たな跳躍を試みるためには韓中FTAは逆行することはできない大勢だ。

だが、それだけリスク負担も大きい。昨年、当時のパク・テホ通商交渉本部長は「韓中FTAは高い水準になりにくいだろう」と予想した。主な国策研究機関も「韓米FTAより韓国の農業に5倍以上の影響を及ぼすだろう」と懸念している。したがっていつになく細かく確認し利益のバランスを合わせなければならない。北朝鮮の核問題解決のような非経済的問題に振り回され過度に急ぐことではない。

何より懸念されるのは対内交渉だ。韓国がFTA交渉ごとに苦労したのも対外交渉に重点を置いたあまり内部的合意を導き出すための対内交渉をおろそかにしたためだ。特に韓中FTAは農水産分野を超え繊維・衣類など雇用集約的な中小企業まで影響を心配している。あらかじめ脆弱産業に対する補完対策を忠実に準備し説得に出なければならない。政府は緻密な戦略と機敏な戦術的対応で両国首脳の決断を後押ししなければならないだろう。韓中FTAは次元が異なる複雑な通商方程式だ。



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