チン・ジュングォン教授とチョン・ジェソ教授。
ギリシャ・ローマ神話の中の女帝ヘラと中国の古代神話に人類の創造者として出てくる女媧、愛の女神ビーナスと富貴と栄華を象徴する西王母。
チョン・ジェソ教授はこの2つのイメージを並べて見せた。女媧・西王母はなじみが薄いという反応が多かった。チョン教授はこれを“想像力の帝国主義”と指摘した。「ギリシャ・ローマ神話と西洋童話が想像力の標準のようになった時代だ。そのような想像力は、強大国の文化産業を通じて広範囲に均一化されている。私たちはアジア神話についてどれくらい無知なのか」。
それならばなぜ神話なのであろうか。神話は、人類が早目に脳裏に思い出させた最も長い間イメージが保存されている報告、すなわち想像力の源泉だ。想像力がまさに創造能力である時代、神話は今日のストーリーが持つすべての作用の例示なのだ。
チョン教授は神話のイメージをよく活用した例としてサイレン(Siren・ギリシャ神話に出てくる海の妖精)を借用したスターバックスコーヒーのロゴを取りあげた。“指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)”も“ハリー・ポッター”シリーズも、神話に基づいた文化産業の成功事例だ。日本も妖怪話のような伝承神話をアニメーションに活用(スタジオジブリ『千と千尋の神隠し』)している。
チョン教授は「まさにそうした点で、中国の神話に注目しなければならない」と強調した。中国には漢民族をはじめとする55の少数民族が暮らしている。彼は「近ごろの考古学的発掘結果によれば、中国文明は黄河流域で始まり辺境に波及したのではなく、遼寧や長江流域など辺境のさまざまな地域で早くから発達していた色々な文明が多元的に結合した形態」といった。
すなわち中国神話は、多様な地域および周辺民族の神話の総体であり、東アジア文化の源泉であること、私たちはこうした忘れられた神話の中に消えた神々との交信を試みなければならない。
スターバックス・千と千尋の神隠し…神話がまさにコンテンツだ=韓国(2)
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