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【コラム】大統領が金融に無関心ならば=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
外出から帰ってきた全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領。あわてて経済首席秘書官を探す。「君、中央銀行が独立するというがどういうことか」。大統領の差し迫った質問に胸をなで下ろした朴英哲(パク・ヨンチョル)主席秘書官(現高麗大学客員教授)。すぐ安定を取り戻し落ち着いて説明する。「中央銀行は本来独立性が保障されなければならず…」。黙々と聞いていた全大統領、気まずい表情で首を縦に振る。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)次官会議で財務部次官が指名された。「はい、財務次官○○○です」。続く全大統領の質問。「金利、下げるのが良いのか、上げるのが良いのか」。突然の質問に言いよどむと、だれかが助けを出すように手を下へ向けるジェスチャーを取る。「はい、下げるのが良いです」。すると全大統領はにこりと笑って意気揚々とこのように話した。「違う、違う。市場に任せるのが良い」。

全大統領時代は景気が良かった時だった。低ドル・低油価・低金利の「3低」で前例のない好況をしっかりと享受した。経済に関する限り歴代政権でこれだけ運が良かった大統領はいなかっただろう。しかし運だけだったか。彼は経済音痴を自任しながら有能な官僚を大挙抜てきし、彼らの助言をよく聞くことで有名だった。


そして数十年が流れた先月。米国歴訪に出た朴槿恵(パク・クネ)大統領がニューヨークに立ち寄った。盛大な在外同胞による行事も行った。ところが歴代大統領がしていたことが抜けていた。それはニューヨーク証券取引所での鐘つき行事とウォール街の実力者との会合だった。経済閣僚OBは、「本当に残念だ。この行事は必ずすべきだったのに…」と残念がった。それとともに「多分この事案の重要性を助言する人がないようだ」と付け加えた。あいにく現政権でそれなりに国際金融通といえる申斉潤(シン・ジェユン)金融委員長は大統領随行団のメンバーではなかった。

4月には何晶というシンガポール女性が極秘裏に韓国を訪れた。彼女は世界的な投資機関テマセクの会長兼最高経営責任者(CEO)だ。この程度ならば「あぁ、そんな人が来たのか」というかも知れない。ところがこの女性、リー・クワンユー元シンガポール首相の嫁でリー・シェンロン現首相の夫人だ。それなら話は変わる。リー・クワンユーとはだれか。独立からシンガポール首相を26年間務め、小さな都市国家を世界水準の国に脱皮させた最高実力者ではないのか。



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