人の縁は分からないものだ。野間秀樹氏(60、国際教養大学客員教授)が1978年に日本の東京セントラル美術館でイ・サンナム氏(60)の作品の前に立った時、その絵が胸に突き刺さり、野間氏はイ氏にハングルで手紙を書いた。35年前、稲妻のように始まった彼らの友情が、国境を越えた1冊の本として誕生する。日本のクオン出版社(キム・スンボク代表)から8月に出版される『韓国・朝鮮の〈知〉を読む』は、友人の国と言語を愛することになった日本人学者が、お互いの知識を基に広げていこうとする2つの国の“人生”だ。
李相男氏(以下、李氏)=私たちが初めて会ったのが25歳の時、君も美術家だった。恐れ気もなく“7人の作家、韓国と日本”展を企画してソウルと東京の画廊を行き来して、厳酷だった1970年代後半を絵で打ち据えた。
野間秀樹氏(以下、野間氏)=これまであまり会えなかったが、互いに何をするかは分かっているから再会の喜びがより大きかった。『韓国・朝鮮の〈知〉を読む』のデザインをしていたら偶然、君の作品特集が掲載された雑誌を発見して表紙にすることになった。
李氏=“韓国の知”というテーマで毎日会って仕事をするのがどんなに楽しかったか。熱情的にはまってしまった。私が知っている文化人を総動員した。
野間氏=韓国の知的世界は西欧ではとても分からない。韓国の大衆文化のうわべだけを消費しているのが残念で。それを打ち破りたい。
李氏=韓国の知を、どんな本を読んで知るようになったのか打ち明ける人々の選択がとても興味深かった。
野間氏=思想家の柄谷行人氏は李御寧(イ・オリョン)の『「縮み」志向の日本人』、良心的な碩学者である和田春樹氏が李泳禧(イ・ヨンヒ)の『分断民族の苦悩』、ロシア文学者の亀山郁夫氏が漢江(ハン・ガン)の『菜食主義者』、小説家の星野智幸氏は黄晳暎(ファン・ソギョン)の『懐かしの庭』を選んだ。
李氏=韓国側では建築家・承孝相(スン・ヒョサン)氏が李文求(イ・ムング)の『冠村随筆』、文学評論家・金炳翼(キム・ビョンイク)氏が朴景利(パク・キョンニ)の大河小説『土地』、映画監督・李明世(イ・ミョンセ)氏が崔仁浩(チェ・インホ)の『家族』、小説家キム・ヨンス氏が『李箱全集』を薦めていた。
野間氏=500ページに達するこの作業はおそらく、韓国・日本の知識人120人が一緒にする初めてのプロジェクトだろう。不穏な政治的現実を跳び越えたい多くの人々が共感してくれるだろうと信じて。
李氏=君は美術をする時も真剣で執拗だっただろう。今は東京の家に行くと上から下まで周りじゅうが本だから、地震が起きたら下敷きになるんじゃないかと心配だ。今もまだ童話の中に住んでいるように夢を掘り起こしていくその知的な旅に、友として一緒に歩けてうれしい。
李相男氏(以下、李氏)=私たちが初めて会ったのが25歳の時、君も美術家だった。恐れ気もなく“7人の作家、韓国と日本”展を企画してソウルと東京の画廊を行き来して、厳酷だった1970年代後半を絵で打ち据えた。
野間秀樹氏(以下、野間氏)=これまであまり会えなかったが、互いに何をするかは分かっているから再会の喜びがより大きかった。『韓国・朝鮮の〈知〉を読む』のデザインをしていたら偶然、君の作品特集が掲載された雑誌を発見して表紙にすることになった。
李氏=“韓国の知”というテーマで毎日会って仕事をするのがどんなに楽しかったか。熱情的にはまってしまった。私が知っている文化人を総動員した。
野間氏=韓国の知的世界は西欧ではとても分からない。韓国の大衆文化のうわべだけを消費しているのが残念で。それを打ち破りたい。
李氏=韓国の知を、どんな本を読んで知るようになったのか打ち明ける人々の選択がとても興味深かった。
野間氏=思想家の柄谷行人氏は李御寧(イ・オリョン)の『「縮み」志向の日本人』、良心的な碩学者である和田春樹氏が李泳禧(イ・ヨンヒ)の『分断民族の苦悩』、ロシア文学者の亀山郁夫氏が漢江(ハン・ガン)の『菜食主義者』、小説家の星野智幸氏は黄晳暎(ファン・ソギョン)の『懐かしの庭』を選んだ。
李氏=韓国側では建築家・承孝相(スン・ヒョサン)氏が李文求(イ・ムング)の『冠村随筆』、文学評論家・金炳翼(キム・ビョンイク)氏が朴景利(パク・キョンニ)の大河小説『土地』、映画監督・李明世(イ・ミョンセ)氏が崔仁浩(チェ・インホ)の『家族』、小説家キム・ヨンス氏が『李箱全集』を薦めていた。
野間氏=500ページに達するこの作業はおそらく、韓国・日本の知識人120人が一緒にする初めてのプロジェクトだろう。不穏な政治的現実を跳び越えたい多くの人々が共感してくれるだろうと信じて。
李氏=君は美術をする時も真剣で執拗だっただろう。今は東京の家に行くと上から下まで周りじゅうが本だから、地震が起きたら下敷きになるんじゃないかと心配だ。今もまだ童話の中に住んでいるように夢を掘り起こしていくその知的な旅に、友として一緒に歩けてうれしい。
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