プロ野球マウンドに芸能人やセクシースターがあふれ出ている。だが、感動はない。

最近、韓国のプロ野球球団は先を争って有名芸能人を始球式に出している。正々堂々とした勝負の開始を知らせる野球だけのイベントが、芸能人の広報舞台へと変貌しているものだ。芸能人は多くのメディアやファンたちが注目する始球式を通じて自分の顔を知ってもらおうとして、野球団も芸能人の始球式を積極的に活用する傾向だ。

最近、ソウルに縁がある球団は官能美を強調している女性芸能人を始球式に出した。下着のラインが見えるほど密着したパンツと胸が深く開いた上着を着た彼女は上手な姿勢で球を投げた。各種ポータルサイトはセクシースターの投球フォーム写真をメイン画面に掲載した。始球式を見守った野球ファンのキム・ヨンミンさん（２８）は「家族と一緒に野球場を訪れた。始球式に出る人が過度に派手でけばけばしくて見るに堪えなかった。野球場が芸能人の舞台になったようだ」と言って惜しんだ。


ほんの数年前までは芸能人の始球式それほど多くなかった。野球ファンや幼少年選手、他分野の人々が始球式の投手や打者としてしばしば登場した。しかし野球が好きな何人かの芸能人が始球式に出て来て話題を集めるとすぐにトレンドが変わった。大衆文化評論家のチャン・トクヒョン氏は「芸能人の扇情的な始球式がポータルサイトやソーシャルネットワークサービス（ＳＮＳ）を通じて拡大再生産され、勝負よりも芸能人がより強調されている」と指摘した。

球団の立場も耐えがたいものがあるようだ。過去には平凡な隣人や社会的弱者を招待していたが、いざイシューになるのはスターだけだからだ。ある首都圏の球団関係者は「野球を愛するファンと社会的な手本になれる方を始球式に迎えようと思う」と説明した。しかし実際、観衆の反応が高い芸能人を見過ごすのは難しい状況だ。



芸能人の招待ばかりで感動のない韓国プロ野球の始球式（２）