公式韓国語版のミュージカル『レ・ミゼラブル』。
◆古典の力+不滅の音楽=『レ・ミゼラブル』は『オペラ座の怪人』『キャッツ』『ミス・サイゴン』とともに世界4大ミュージカルに数えられる。フランスの大文豪ヴィクトル・ユーゴーが1862年に出版した大河小説をミュージカル界の“ミダースの手(Midas touch)”キャメロン・マッキントッシュと作曲家クロード=ミシェル・シェーンベルクが最高の商業ミュージカルとして誕生させた。
1985年の初演以来28年間にわたり43カ国319都市、22の言語で公演された。トニー賞・グラミー賞・ローレンス・オリヴィエ賞など権威あるミュージカル賞を70余りも受賞した。
1996年と2002年に2度ブロードウェーのオリジナルチームが来韓したことがあったが、公式韓国語版ライセンス公演は今回が初めてだ。
韓国語版の舞台がこれほど遅れたのは生半可に挑戦するのが難しい作品のスケールゆえだった。
特に、堅固な実力でかためた主な出演陣を確保することが最も大きな宿題であった。今回の舞台はこれまでの産みの苦しみが無駄になっていないことを証明した。 チョン・スヨン漢陽大学演劇映画科兼任教授は「舞台や衣装、歌などすべての領域で高い完成度を見せた」と評した。
タイミングも良かった。昨年封切りした映画『レ・ミゼラブル』は全国590万人の観客を集め、勢いに乗って原作小説も15万部以上売れた。小説と映画の感動を記憶する観客が先を争って劇場を訪れ“レ・ミゼラブル”症候群を引き起こしていた。
◆完ぺきな熱演=何より俳優の力が大きかった。ジャン・バルジャン役のチョン・ソンファをはじめとしてジャベール役のムン・ンジョンウォン、ファンテーヌ役のチョ・ジョンウン、エポニーヌ役のパク・チヨンなど主な配役は全て韓国の俳優たちが初めから最後まで責任を負った。特別な覚悟にふさわしく各俳優は自分たちの代表曲をきれいにこなした。今回の公演はミュージカル25周年を記念して制作されたバージョンで、力あふれる音楽や幻想的な舞台が特徴だ。トレードマークだった回転舞台が消えた代わりにヴィクトル・ユーゴーが直接描いた挿絵を土台につくった映像が多彩な舞台を具現化した。
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