北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の特使として中国を訪問した崔竜海(チェ・ヨンヘ)人民軍総政治局長が、習近平国家主席に会った。北朝鮮の3度目の核実験と国連安保理の対北朝鮮制裁を契機に、中国の北朝鮮に対する態度が冷静になったという評価が多い。崔竜海の訪中は韓半島情勢にどんな影響を及ぼすのか。また来月下旬に予定された朴槿恵(パク・クネ)大統領の国賓訪問に対する中国側の期待は何か。中国指導部の隠れたブレーン、王逸舟北京大国際関係学院副院長(56)に会い、話を聞いた。インタビューは24日午前、王副院長の研究室で1時間半ほど行われた。王副院長は崔竜海の訪中について、「北朝鮮が態度を完全に変えたというより、最後の友邦である中国までも仲が悪くなってはいけないという北朝鮮の“処世的戦術”の変化」と評価した。
以下は一問一答の要旨。
--崔竜海の訪中は北中のどちらが先に提案したのか。
「中国は金正恩執権後に彼を招いた。その後、張成沢(チャン・ソンテク、国防副委員長)が北京に来たし、李建国政治局員が昨年末、対北朝鮮特使として平壌(ピョンヤン)へ行った。私が見るに、今回は北朝鮮が提案したものだ。金正恩が中国に最近とった行動を説明し、理解を得ようという側面がある」
--崔竜海特使の訪中をどう見るか。
「彼が核兵器放棄や6カ国協議復帰のようなカードを持ってきたわけではないとみる。緊張政局を緩和しようとしているのだ。中国まで怒らせてはいけないという計算があるということだ。北朝鮮の態度が完全に変わったのでなく、観察を続ける必要がある。金正恩は中国を媒介に周辺国との悪化した関係を改善しようとする。北朝鮮が6カ国協議復帰を宣言したり、韓半島の緊張を緩和して対話に進むという方向から、もう一歩進んだ姿を見せられるかが重要だ。中国にとって北朝鮮が作ってきた緊張政局はマイナスだ。もし北朝鮮がさらに一歩進んだ約束をしなければ、崔竜海の訪中は半分の成功になるだろう。その場合、金正恩の訪中もいつになるか分からない」
--金正恩の訪中時期は。
「不確かだ。もし北朝鮮が6カ国協議復帰を宣言すれば、すぐにも実現する可能性がある」
--金正恩体制の登場後、朝中関係はどう変化したのか。
「朝中関係は多くの人々が想像しているものよりもっと近い。中国の北朝鮮に対する基本政策は“漸進的”に同盟関係を正常国家関係に転換することだ。これは1992年の韓中修交当時から事実上設定された方向だ。それは朝中が単に血盟という理由で、以前のように(戦争が発生した場合)中国側が莫大な犠牲を払わないということだ。強調するが、これは漸進的で長期的な過程だ。これは韓米の期待とは違い、中国が短期間に北朝鮮を捨てないことを意味する。韓米が北朝鮮に“外科手術的攻撃(surgical strike)”を加えたり、戦争を通じて体制の変革を試みれば、中国は介入するとみる。したがって私は『中国が北朝鮮を捨てる』という観察には同意しない」
--金正恩体制をどう評価するか。
「中国は金正恩体制の発足後、3つの感情変化を経験した。一つ目は、このように若い人が指導者になってうまくいくのかという心配があった。二つ目は、金正恩が『二度と人民が苦しませない』という発言をしながら経済を重視する姿を見せた時、希望を抱いた。『父とは違う指導者になるだろう』という期待だった。それで中央・地方政府レベルで北朝鮮幹部の経済知識培養プログラムを支援した。三つ目は最近生じたものだが、北朝鮮の挑発的な姿に怒り、忍耐心を失いつつある」
--金正恩体制の改革・開放の可能性はあるのか。
「中国は急がない。まず北朝鮮は中国にとって直接的な脅威ではない。経済からゆっくり安定を求めていけば、いつか変化するとみている。瓜熟蔕落(瓜は熟れれば自然に落ちる)という言葉がある。米国人にこういう話をしても理解できない。『このように人権がない独裁国家を中国はどうやって我慢できるのか』と反問する。実際、米国の人たちの目には中国にも北朝鮮と似た人権問題があるではないか(笑)」
(中央SUNDAY第324号)
「崔竜海の訪中は北の態度変化ではなく処世的戦術」(2)
以下は一問一答の要旨。
--崔竜海の訪中は北中のどちらが先に提案したのか。
「中国は金正恩執権後に彼を招いた。その後、張成沢(チャン・ソンテク、国防副委員長)が北京に来たし、李建国政治局員が昨年末、対北朝鮮特使として平壌(ピョンヤン)へ行った。私が見るに、今回は北朝鮮が提案したものだ。金正恩が中国に最近とった行動を説明し、理解を得ようという側面がある」
--崔竜海特使の訪中をどう見るか。
「彼が核兵器放棄や6カ国協議復帰のようなカードを持ってきたわけではないとみる。緊張政局を緩和しようとしているのだ。中国まで怒らせてはいけないという計算があるということだ。北朝鮮の態度が完全に変わったのでなく、観察を続ける必要がある。金正恩は中国を媒介に周辺国との悪化した関係を改善しようとする。北朝鮮が6カ国協議復帰を宣言したり、韓半島の緊張を緩和して対話に進むという方向から、もう一歩進んだ姿を見せられるかが重要だ。中国にとって北朝鮮が作ってきた緊張政局はマイナスだ。もし北朝鮮がさらに一歩進んだ約束をしなければ、崔竜海の訪中は半分の成功になるだろう。その場合、金正恩の訪中もいつになるか分からない」
--金正恩の訪中時期は。
「不確かだ。もし北朝鮮が6カ国協議復帰を宣言すれば、すぐにも実現する可能性がある」
--金正恩体制の登場後、朝中関係はどう変化したのか。
「朝中関係は多くの人々が想像しているものよりもっと近い。中国の北朝鮮に対する基本政策は“漸進的”に同盟関係を正常国家関係に転換することだ。これは1992年の韓中修交当時から事実上設定された方向だ。それは朝中が単に血盟という理由で、以前のように(戦争が発生した場合)中国側が莫大な犠牲を払わないということだ。強調するが、これは漸進的で長期的な過程だ。これは韓米の期待とは違い、中国が短期間に北朝鮮を捨てないことを意味する。韓米が北朝鮮に“外科手術的攻撃(surgical strike)”を加えたり、戦争を通じて体制の変革を試みれば、中国は介入するとみる。したがって私は『中国が北朝鮮を捨てる』という観察には同意しない」
--金正恩体制をどう評価するか。
「中国は金正恩体制の発足後、3つの感情変化を経験した。一つ目は、このように若い人が指導者になってうまくいくのかという心配があった。二つ目は、金正恩が『二度と人民が苦しませない』という発言をしながら経済を重視する姿を見せた時、希望を抱いた。『父とは違う指導者になるだろう』という期待だった。それで中央・地方政府レベルで北朝鮮幹部の経済知識培養プログラムを支援した。三つ目は最近生じたものだが、北朝鮮の挑発的な姿に怒り、忍耐心を失いつつある」
--金正恩体制の改革・開放の可能性はあるのか。
「中国は急がない。まず北朝鮮は中国にとって直接的な脅威ではない。経済からゆっくり安定を求めていけば、いつか変化するとみている。瓜熟蔕落(瓜は熟れれば自然に落ちる)という言葉がある。米国人にこういう話をしても理解できない。『このように人権がない独裁国家を中国はどうやって我慢できるのか』と反問する。実際、米国の人たちの目には中国にも北朝鮮と似た人権問題があるではないか(笑)」
(中央SUNDAY第324号)
「崔竜海の訪中は北の態度変化ではなく処世的戦術」(2)
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