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【取材日記】開城工業団地の門を閉じて6・15行事を共にしようという北朝鮮

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ソウル忠正路(チュンジョンノ)あるビルの事務室に22日、北朝鮮が送ったファックス1枚が届いた。「6・15共同宣言実践北側委員会」がここに入居している南側委員会に中国拠点を通じて転送したのだ。23日に公開されたこの手紙の核心は、「6・15を記念する民族共同の統一行事を行おう」ということだ。北朝鮮は開城(ケソン)または、金剛山(クムガンサン)を場所として提示した。思わず首をかしげてしまう提案だ。

開城工業団地は北朝鮮の一方的な従業員撤収で稼動中断50日をむかえている。123社の入居企業が置いてきた完成品や原・副資材(業界推算5000億ウォン)搬出のために韓国政府が当局対話を提案したが北朝鮮側が拒否した。工団の門はカギをかけたまま、この隣接地域で南北が一緒に行事を行おうというのはつじつまが合わない。

金剛山(クムガンサン)観光は2008年7月、北朝鮮警備兵による韓国人観光客の射殺事件から5年間中断状態だ。非武装民間人が照準射撃で亡くなったのに謝罪するどころか「軍事施設接近」云々する居直り式の事態収拾で破局を招いた。こうしたところを行事場所に選んでおいて「肯定的な回答を期待する」と書く北朝鮮からの手紙の最後の文章はとんでもないというよりあきれることこの上ない。


6・15共同宣言を蔑視する理由はない。初めての南北首脳会談合意文は和解協力と交流の出口を開く契機になった。相当数の国民は「歴史的な」という修飾語を付けるのに共感した。だが、どんなことでも時と場所はもちろん雰囲気を合わせて判断しなければならない。

北朝鮮の核・ミサイル威嚇攻勢は金正恩(キム・ジョンウン)体制の実体を赤裸々に見せた。最高指導者が直接、最前方軍人に「敵を根こそぎ消してしまえ」と話すのを、韓国国民ははっきりと見てきた。「跡形もなく灰にする」(3月26日最高司令部)、「生き残って後悔する者すらいなくさせる」(4月11日祖平統)と豪語したことを覚えている。今回の行事を提案した北側委員会の核心人物がそのような対南脅迫論理を組んで実行した対南要員ということを国民は感づいている。

わずか1、2カ月前に口にするのもはばかる暴言で同族を威嚇した北朝鮮が「6・15共同行事」を提案してきたのは政府と入居企業等の間を分裂させて仲違いさせようとするつまらない考えが隠れていることに気が付かない国民はいないだろう。この際、労働党の対南戦略家が6・15共同宣言を再び几帳面に読む返すことを薦める。核兵器で同族を恐れさせ、相手指導者を蔑視するのが6・15の精神なのかたずねたい。

今からでも北朝鮮が率直な解明と態度の変化を見せなければならない。南北共生の開城工業団地が再びにぎやかさが戻って、金剛山に安心して再び訪れることができる時、6・15の真の意味を再確認できるはずだ。



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