イ・オソン氏の受賞作『Will』。9.11テロ事件を扱ったアニメーションで、幾何学的な印象が強い。
イ・オソン氏
--大きな賞を受けることになったが。
「学生の時だけに受けられる賞を受賞することになりうれしい。まだ胸に迫るものはないがプロフェッショナルの世界、特に映画分野に進出するのに多いに役に立つようで満足している」。
学生アカデミー賞は、AMPASが未来の映画界をリードする映画学生を支援するために1972年につくられ、この賞を受けた有名映画関係者にはジョン・ラセター、スパイク・リー監督らがいる。チャン・ヨンウン、シン・ソクウォン、イ・ムンソン監督ら韓国人アニメーションアーティストもこの賞を受賞した。
--これまでの成長のバックグラウンドが気になる。
「蔚山(ウルサン)で生まれ育った。家族の中には芸術関連の仕事をする人もおらず、幼いころは美術学院(塾)のようなところには通ったこともない。14歳のときに1人でカナダに留学してそこで中学・高等学校を卒業した。美術をするつもりで留学に来たわけではなかったが、成長するに従い絵を描くのがうまくなった。建築、産業デザイン、グラフィックデザインなどさまざまな分野を悩んだがCalArtsに進学してキャラクターアニメーションを専攻することになった。現在3学年を終えてしばらく休学し、デジタルエンターテインメントスタジオ・JibJabでプロダクションデザインと監督の仕事をしている」。
--作品『Will』は9・11テロ事件を扱っているが。
「個人的には9.11との関わりは全くない。友人と9.11を扱った本『Extremely Loud & Incredibly Close』を読んで作品の方向性を決めた。ニューヨークに直接行って資料調査やインタビューをして、関連ドキュメンタリーも探しながら1年近く作業した」。
--絵が幾何学的で特異だ。
「デジタルの特徴を最もよく伝達できる方法を探していたらグラフィック的な感じを多くとり入れることになった。短編だと考えたら象徴的イメージもたくさん入れたかった。キャラクターの形状にも象徴的意味をたくさんつけた」。
--今後の計画は。
「まだ学生なので卒業が最初の目標だ。卒業後も大型スタジオよりもっと多くのことを直接してみて学ぶことができる小規模スタジオで仕事がしたい」。
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