海外同胞の米国主流社会への進出－－。朴槿恵（パク・クネ）韓国大統領が８日、ロサンゼルス同胞懇談会で強調した言葉だ。朴大統領はニューヨークでの最初の同胞懇談会で、国民の概念を拡大して「グローバル韓民族ネットワーク」を構築する意向であることを表した。朴大統領はその中心地にロサンゼルスを挙げた。ロサンゼルスは５０万人以上の韓国系が居住している海外同胞社会の中心。

朴大統領はこの日晩、ＬＡリッツカールトンホテルで開かれた同胞懇談会場で、「ロサンゼルスのコリアタウンを米国内の小さな韓国と呼ぶが、今はロサンゼルスが小さな韓国ではなく、韓国が世界へ向けて出ていくうえで最も大きなベースキャンプ」とし「ロサンゼルス地域は韓国企業の米国進出の橋頭堡であり、最近ではＫ－ＰＯＰをはじめとする韓流ブームの出発点」と述べた。

そしてこの地域の成功した韓国系の人物に言及した。朴大統領は「コリアタウンのある地下鉄駅名が、カリフォルニア最初のアジア系州議員だった故ソン・ホユン議員を称えるという意味で“アルフレッド・ホユン ソン”に変更されたという記事を読んだ」とし「連邦下院で３選したキム・チャンジュン議員もいたし、今もこの席にいるチェ・ソクホ・アーバイン市長をはじめ、多くの同胞が選出職の政治家として活動している」と話した。


朴大統領は「ＩＭＦ（国際通貨基金）で厳しい時期に国民に大きな希望を与えた朴賛浩（パク・チャンホ）選手がメジャーリーグ選手生活を始めたのもＬＡドジャース球団で、朴選手の後に続いて最近は柳賢振（リュ・ヒョンジン）選手が大活躍している」と紹介したりもした。続いて「同胞の皆さんが米国主流社会に進出し、より大きな活躍ができるように政府も支援する」と約束した。

「文化隆盛」も強調した。朴大統領は「文化隆盛が成功するためには、創造経済の後押しが非常に重要だ」とし「Ｋ－ＰＯＰ歌手が世界的な人気を得たのは、ユーチューブという動画サイトがあったため」と話した。さらに「在外同胞人材のグローバル文化マインドと優れた創造力が、故国の文化と経済発展に大きな力を与えられる」とし「同胞社会の人材にもより大きな機会が回ってこなければならない」と述べた。朴大統領は「私たちの青年が海外就労の門を叩いて、グローバルベンチャー企業を創業する過程で、同胞経済人の助けが必要となる」とし「自分の子どもという思いで支援してほしい」と要請した。

今回の歴訪の最後の日程であるロサンゼルスは、父・朴正煕（パク・ジョンヒ）元大統領とも縁が深いところだ。１９６５年にロサンゼルスを訪問した朴正煕元大統領はその後、ロサンゼルスカウンティ美術館（ＬＡＣＭＡ）の韓国館開館とＬＡ韓人会館建物の購入などを主導した。朴大統領も「ロサンゼルスカウンティ美術館は米国で最も大きな規模の韓国館を持つ」とし「１９６６年に“祖国の大統領”が陶磁器２３点を寄贈したのが契機になった」と話した。

ペ・ムハンＬＡ韓人会長は「ベトナム派兵、浦項（ポハン）製鉄で最初に作られた鉄、中東で流した汗と涙、“よい暮らしをしよう”というセマウル運動で経済成長を成し遂げた私たちの大韓民国は、世界の歴史の中でも類例がない誇らしい国」とし「（海外で働く）鉱夫と地下１０００メートルの坑道まで入って故国から持ってきたマッコリを飲み、アリランを一緒に歌いながら涙を流した朴正煕大統領、韓服を着た看護師と抱き合って泣いた陸英修（ユク・ヨンス）女史の映像は忘れられない瞬間」と過去を振り返った。